夏だ!祭りだ!! N響ほっとコンサート 〜加藤清史郎が誘う魅惑のホルンの世界

左より:下野竜也 ©Shin Yamagishi/アレッシオ・アレグリーニ ©Riccardo Musacchio/加藤清史郎

 夏休みの日曜日に、ナビゲーターの案内付きで、楽しい名曲をN響の演奏で楽しめる「N響ほっとコンサート」がやってくる。「夏だ!祭りだ!!」と掲げ、演奏前後にはホールの各所で「楽器体験」が開催されるなど、NHKホールでN響と触れ合えるイベントとなる。

 今年のテーマは「まほうの森と夢の世界」。そこに導くのは「狩り」の音楽で、真の主役はホルン。森に響く角笛が狩猟ホルンになり、そこから音楽用のホルンにつながっていくのだが、その経過もたどれるような内容になっている。

 今回の指揮はテーマ性あるプログラミングに定評のある下野竜也で、この日も絶妙な演目。華麗なホルンの音に包まれるドリーブ「シルヴィア」の前奏曲と「狩りの女神」で開幕。続いてホルンの世界的名手アレッシオ・アレグリーニが登場し、モーツァルトのホルン協奏曲第2番。達人の演奏でホルンの魅力を堪能した後は、「狩り」と呼ばれるハイドン交響曲第73番から「狩りのテーマ」が現れる第4楽章、そしてヨハン・シュトラウスII世の楽しいポルカ「狩り」と、徹底した選曲。

 そして、メンデルスゾーンの劇音楽「夏の夜の夢」を抜粋。森の妖精の活躍するシェークスピア原作の物語と、作曲者の天才的な音楽が融合した傑作集で、ホルンの活躍する場面も多い。ナビゲート役は俳優の加藤清史郎。子ども時代から現在もドラマやCM等でおなじみの存在で、イギリスの高校でも学んだ、本作の語り手としてこの上ない適任者だ。下野とN響の快演とともに、夏の夢の世界へ!

文:林 昌英

(ぶらあぼ2026年7月号より)

夏だ! 祭りだ!! N響ほっとコンサート ~翔けよう! まほうの森と夢の世界~
2026.8/2(日)15:30 NHKホール
問:N響ガイド0570-02-9502
https://nhkso.or.jp


林 昌英 Masahide Hayashi

出版社勤務を経て、音楽誌制作と執筆に携わり、現在はフリーライターとして活動。「ぶらあぼ」等の音楽誌、Webメディア、コンサートプログラム等に記事を寄稿。オーケストラと室内楽(主に弦楽四重奏)を中心に執筆・取材を重ねる。40代で桐朋学園大学カレッジ・ディプロマ・コース音楽学専攻に学び、2020年修了、研究テーマはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。アマチュア弦楽器奏者として、ショスタコーヴィチの交響曲と弦楽四重奏曲の両全曲演奏を達成。