広島交響楽団が2024年度ラインナップを発表

新音楽監督クリスティアン・アルミンクが始動&徳永二男がミュージック・アドバイザーに就任!

左:クリスティアン・アルミンク(c)ShumpeiOhsugi 右:徳永二男(c)ヒダキトモコ

 今年創立60周年を迎えた広島交響楽団が2024年度シーズンのラインナップを発表した。下野竜也からバトンを引き継ぎ、新シーズンからクリスティアン・アルミンクが第8代音楽監督に就任。また、元N響コンサートマスターの重鎮、徳永二男がミュージック・アドバイザーに就く。そして、四方恭子、三上亮、蔵川瑠美のコンサートマスター陣に、7月からはカルテット・アマービレのメンバーとしても活躍する北田千尋が加わり4人体制となる。
 24年度シーズンは定期演奏会のほか、同楽団の「平和音楽大使」マルタ・アルゲリッチと共演する特別定期、コルンゴルトとモーツァルトの作品を1年にわたって紹介する「シン・ディスカバリー・シリーズ」などが予定されている。
 
 定期演奏会は全10公演。アルミンクは全3回登壇する。シーズン最初の第440回(4/13)で大曲、R.シュトラウス「アルプス交響曲」を取り上げるほか、同公演でティル・フェルナー、第446回(11/27)ではゲルハルト・オピッツと、注目のピアニストと共演。
 徳永は第441回(5/31)でタクトを執り、世界的なヴァイオリン奏者ギドン・クレーメルをシューマンのチェロ協奏曲(ヴァイオリン版)のソリストに迎える。
 他にも、24年が没後50年のアッテルベリのピアノ協奏曲(独奏:福間洸太朗)と交響曲第5番「葬送交響曲」(日本初演)を秋山和慶が振る第442回(6/14)、準・メルクルが生誕200年のブルックナーの交響曲第9番を作曲者の命日に披露する第445回(10/11)、21年のベルリン・フィル野外コンサートでも指揮したウェイン・マーシャルがオール・ガーシュウィン・プログラムで日本デビューを飾る第449回(25.3/8)などバラエティ豊かな内容。

 5月12日の特別定期演奏会でプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を弾くマルタ・アルゲリッチは、パンフレットに以下のメッセージを寄せている。

広島交響楽団の「平和音楽大使」としてご挨拶できることを光栄に思います。
2015年に広島と東京で、2019年にはワルシャワで広響の皆さんと共演することができ嬉しく思っていましたがCovid-19の影響により、予定していた公演を中止せざるを得ないものもありました。
2024年5月に、私が最も好きな指揮者クリスティアン・アルミンクと広響で再び共演できることを何よりも嬉しく思います。
また、彼が広響の音楽監督に就任したことを心より祝福します。
クリスティアンのリーダーシップのもとで、より芸術的な成果を生み出すと確信しています。
広響のモットーである「Music for Peace」と私のモットーである「Music against Crime」が今以上に世界に広まることを信じています。
愛をこめて

広島交響楽団 平和音楽大使 マルタ・アルゲリッチ

 「平和の夕べ」コンサート(8/6)では、アルミンクがマーラーの交響曲第2番「復活」を指揮。「原爆の日」にこの曲が演奏されるのは25年ぶりで、ソプラノの並河寿美、メゾソプラノの藤村実穂子とともに、追悼の賛歌を奏でる。
 モーツァルトとコルンゴルト、“ふたりのヴォルフガング”がテーマの「シン・ディスカバリー・シリーズ」は全4回。第1回(7/26)のモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番では新コンサートマスターの北田千尋がソリストを務める。

 その他、「音楽の花束」と題された名曲コンサートは全3回、島根、広島県内での地域定期演奏会は全4回を予定されている。

広島交響楽団
http://hirokyo.or.jp