アレホ・ペレス(指揮) 読売日本交響楽団

話題のペレス再び! 名手たちとの共演が実現

 読売日本交響楽団の7月の定期演奏会には、アレホ・ペレスが登場し、ショスタコーヴィチの交響曲第12番「1917年」を指揮する。1974年ブエノスアイレス生まれのペレスは、現在フランダース歌劇場の音楽監督を務めている。ザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルを相手にグノーの《ファウスト》を指揮して話題となり、ザクセン州立歌劇場では《カルメン》を振り、祖国のコロン劇場では《パルジファル》や《ばらの騎士》などを取り上げた。読響とは2018年の東京二期会の《魔弾の射手》で共演。ペレスは、オペラのほか、アンサンブル・モデルン、アンサンブル・アンテルコンタンポラン、クラングフォルム・ウィーンを振るなど、現代音楽も得意としているので、ショスタコーヴィチが十月革命を描いた交響曲第12番を、どう解釈し、どう再現するのか興味津々である。

 このコンサートでは、諏訪内晶子が、ブルガリア出身でアルゲリッチにも才能を認められたエフゲニ・ボジャノフとともに、若きメンデルスゾーンの「ヴァイオリンとピアノのための協奏曲」を演奏するのにも注目。この二重協奏曲の再評価につながる演奏となるかもしれない。そのほか、ペーテル・エトヴェシュの「セイレーンの歌」を日本初演する。ペレスはキャリアの初期の頃に、エトヴェシュのアシスタントを務めていた(《レディ・サラシナ》世界初演も助演した)こともあり、恩師の作品を日本に紹介することになる。
文:山田治生
(ぶらあぼ2022年7月号より)

第619回 定期演奏会 
2022.7/22(金)19:00 サントリーホール
問:読響チケットセンター0570-00-4390 
https://yomikyo.or.jp