ミュンヘン・コンクール優勝のチェリスト佐藤晴真がソリストとして登場!

右:昨年の公演より 提供:軽井沢大賀ホール
軽井沢大賀ホール開館20周年を記念する、今年のゴールデンウィークの「春の音楽祭」。5月4日に開催されるのは「軽井沢チェンバーオーケストラ」。小編成の弦楽アンサンブルによる、バロックからロマン派のプログラムで、とにかく出演者が充実している。ソリストは若手奏者のなかでも特筆される存在感をみせるチェリスト佐藤晴真。オーケストラはヴァイオリン依田真宣、植村太郎、小川響子、戸原直、ヴィオラ田原綾子、朴梨恵、チェロ上村文乃、加藤陽子、コントラバス髙橋洋太、チェンバロ須関裕子と、やはり実力と人気を兼ね備えた、第一線で活躍する俊才たちが集結する。

プログラムも聴きごたえ十分。まず、ヴィヴァルディの「四季」。なんとオーケストラのヴァイオリン出演者の4名が、1曲ずつソリストを務めるとのこと。全員が東京と名古屋の楽団でコンサートマスターを務める屈指の名手たちで、この4人のソロを聴けるだけでも注目のステージといえるし、各々の持ち味を活かした演奏が期待できる。
佐藤晴真がソリストを務めるC.P.E.バッハのチェロ協奏曲第3番は、演奏機会稀少な作品で、佐藤の名技で本作を体験できるのは好機だ。さらに鮮やかな超絶技巧の連続が楽しいポッパー「演奏会用ポロネーズ」は、佐藤をはじめこの日の出演者のチェロ3人とコントラバス1人の4人が奏でるという。この曲はチェロ4人のアンサンブルで演奏される機会も多く、これをさらにコントラバスが1パートを担当する注目版になる。
合奏作品はメンデルスゾーンの弦楽のための交響曲第13番と、J.S.バッハのブランデンブルク協奏曲第3番。前者は作曲者10代前半での習作的な断章だが、天才少年の才気が迸る小品で、これも聴ける機会は貴重。後者は弦楽アンサンブルのための代表的傑作で、各人の技巧と合奏力が遺憾なく発揮されるはず。
爽やかな5月の軽井沢の午後、弦の響きに包まれる。
文:林昌英
軽井沢大賀ホール開館20周年記念 2025春の音楽祭
軽井沢チェンバーオーケストラ
2025.5/4(日)14:00 軽井沢大賀ホール
出演
ヴァイオリン:依田真宣、植村太郎、小川響子、戸原直
ヴィオラ:田原綾子、朴梨恵
チェロ:上村文乃、加藤陽子
コントラバス:髙橋洋太
チェンバロ:須関裕子
チェロ・ソロ:佐藤晴真
曲目
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集 「四季」
C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲第3番 イ長調 Wq.172 H.439
D.ポッパー:演奏会用ポロネーズ op.14
メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第13番 op.11 ハ短調
J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調 BWV1048
問:軽井沢大賀ホール0267-42-0055
https://www.ohgahall.or.jp