対位法の最高傑作を大解剖
音楽作品と楽器の両面から、それらの魅力を深く掘り下げてゆく神奈川県民ホールのオルガン講座「フーガの技法〜謎と魅力〜」全3回が開催される。バッハが生涯で体得した対位法の技巧を収斂させた、最晩年の傑作「フーガの技法」が秘める謎に様々な角度から肉薄する講座。音楽学者の藤原一弘が成立の経緯を紐解く第1回「作品の概要と魅力」(2/20)と、作曲家の久行敏彦による第2回「フーガとはどんなもの? 〜楽曲分析〜」(3/6)は、好評につきすでに完売している。
そして、小ホールで開催される第3回「オルガン&チェンバロ聴き比べ」(3/21)には、2021年3月まで同ホールのオルガン・アドバイザーを務めた荻野由美子が登場。早川幸子、柳澤文子とともに、まったく異なる発音の仕組みや魅力を持つ2つの楽器で、畢生の大作を弾き分ける。「私たちオルガニスト3人にとっては、まるでエベレストに挑むがごとく!? 難しい挑戦ですが、きっとその先に新たな景色が開けると信じて!」と、荻野は言う。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2022年1月号より)
2022.3/21(月・祝)14:00 神奈川県民ホール(小)
問:チケットかながわ0570-015-415
https://www.kanagawa-arts.or.jp/tc/