柴田俊幸のCROSS TALK 〜古楽とその先と〜
Vol.2 西山まりえ

 ベルギーを拠点に活躍するフルート&フラウト・トラヴェルソ奏者で、たかまつ国際古楽祭芸術監督を務める柴田俊幸さんが、毎回話題のゲストを迎えて贈る対談シリーズ。モダンとヒストリカル、両方の楽器を演奏するアーティストが増えている昨今、その面白さはどんなところにあるのか、また、実際に古楽の現場でどんな音楽づくりがおこなわれているのか、ヨーロッパの古楽最前線にいる柴田さんが、ゲストともに楽しいトークを展開します。バッハ以前の音楽は未だマイナーな部分もありますが、知られざる名曲は数知れず。その奥深き世界に足を踏み入れれば、きっと新しい景色が広がるはずです。
Toshiyuki Shibata & Marie Nishiyama

 第2回のゲストは、チェンバロ&ヒストリカル・ハープ奏者の西山まりえさん。ミラノ市立音楽院やバーゼル・スコラ・カントルムで学び、中世から18世紀まで幅広いレパートリーを持つ、この分野の第一人者です。まもなく開催されるたかまつ国際古楽祭にも出演予定の西山さんに、数々の楽器に囲まれたご自宅のスタジオを訪問してお話をうかがいました。

柴田 この対談シリーズは、クラシック音楽を聴くけど古楽は聴かないという人にどうアプローチするか、もしくはクラシック音楽には興味ないけど、古楽だったら聴きやすいかも、という人をどうやって増やしていくかというのがテーマで。いろいろお話しできたらと嬉しいなと思っています。
 (自分の顔を指差して)このバッハ会長マスク、やっぱりすごいね、コレ(笑)。バッハに憧れて、買ってみました。

西山 なに?

柴田 オリンピックの…

西山 あ、あちらのバッハさんですか!(爆笑)

柴田 ウケた、ウケた!良かった、良かった。これ、インタビューの最初の話に決めてたので(笑)

西山 トーマス!!(笑)

柴田 トーマスキルヒェ(聖トーマス教会)じゃなくてね(笑)

♪Chapter 1 チェンバロ弾きがハープに出会う

柴田 まりえさんとは、完全にはじめましてじゃないですけど…

西山 ほとんどはじめましてです(笑)

柴田 だから自己紹介をしていただけたらなぁと思うんですけど。まりえさん、ご自身を自己紹介されるときって、肩書きは何を使われているんですか?

西山 ヒストリカル・ハープとチェンバロを演奏するというふうに両方です。

柴田 なんか人によっては、例えばこの時代が実は一番が得意ですというのがあると思うんですけど、そういうのって何かありますか? オールマイティ?

西山 そうですね、革命前。しかできないです!(笑)

柴田 フランス革命前しかできない(笑)・・そうなんですか? それ以降は?

西山 レパートリーとしては、ほぼないですね。

柴田 ということになると、どっちかというとハープがメインという感覚ですか?

西山 鍵盤は、フォルテピアノは弾かないので、初期バロックのオルガン、中世の鍵盤クラヴィシンバルム、それからチェンバロまでです。

柴田 ハープもチェンバロが流行ってた時代の…

西山 ハープもシングルアクション・ハープという、本当に初期のものまでで、逆に古いところは広くて、12世紀から。中世のゴシック・ハープ、ルネサンス・ハープ、バロック・ハープも演奏します。

柴田 昔はチェンバロを弾いて、ハープはまだ弾いていなかったんですね。

西山 留学する頃まで全然弾いたことなかったんです(笑)

弦が1列のシンプルな構造をもつ中世ゴシック・ハープ

柴田 この前、配信を見させてもらいました、前田りり子さん(フラウト・トラヴェルソ)との。

西山 あー!ありがとうございます!

柴田 すごく素晴らしかったです。あのときも、パリでハープ見つけて…とか、お話されていて。

西山 そこ、見てくれたんですね(笑)パリの骨董屋さんのショーウインドウに置いてあった1775年製オリジナルのナーデルマン工房、マリー・アントワネットの御用達ハープのメーカーに偶然めぐりあいました。お店のおじさんによくしてもらい、毎日お茶をご馳走になり、最後は私のギリギリ手の届くお値段にしてくださったんです。

柴田 素晴らしいお話ですね。ハープとの出会いをもう少しお話ししてください!

西山 最初、チェンバロの留学がバーゼルで決まって、その前に留学前のお小遣い稼ぎにアルバイトをしたんです。シェイクスピアの「ヴェニスの商人」という劇伴のバイトでシンセサイザー弾いていました。夏休みに。今はなきサンシャイン劇場で、平幹二朗さんがシャイロック役でした。その時に、稽古場でイギリス人の演出家のマダムがいつも英語で指示をしていたんですが、当時は留学前で、全然英語もわからなくてボーッとしてたんです。そうしたらある日、私のことをじっと見て、ワーッて何か言ってきて。「なんか私ヘタだったかな」と思ってすごいビビっちゃって(笑)。そしたら通訳の人が飛んできて、「すみません、あなたが舞台に出てきてハープ弾いたらすごくいいって言っているんですけど」と言うんです。「そんなのできるわけないじゃないですか!」って、丁重にお断りしたんです。

柴田 ヨーロッパあるあるですね(笑)

西山 そう、何言ってるの?と(笑) 鍵盤弾いてるからってハープ弾けるわけないじゃないですか。でも、マダムは自分の中にイメージが湧いてしまったらしくて騒いでたのですが、無理なのでとりあえず知らんぷりをしてやりすごしました。でも、次の日お稽古場に行ったら、シンセサイザーの前のピアノ椅子に小さいハープが置いてあって。ちょっと待ってよ、と(笑)

柴田 「弾け」とフラグが立っている(笑)

西山 断ったのになんで置いてあるのよと思ったのですが、なんだかとても可愛くって、いま、そこにあるようなハープなんですけど。ちょっと弾いたら、電気が走っちゃって、ビリビリと。すごく面白い!となって。要するに、鍵盤だと自分で弦には直接触れないじゃないですか。キーのアクションを通して表現していたのが、いよいよ自分の指で弦を触れるという快感がビリっときた。そんな時、スイスの留学先の要項を見たら、ヒストリカル・ハープ科があったんです。そんな科はまだ日本では全然ないし、弾いている人もいなかったので、副科で遊びながら…って思って始めて、現在に至ります。

柴田 なるほど。

西山 今となってはお名前もわかりませんが、そのマダムのおかげです。

柴田 そうやって現地で出会って新しい楽器を始めるケースって、僕もそうですけど、意外と多いですよね。

西山 多いですよね!

柴田 そっちのほうがひょっとしたら健全っていったらアレですけど、ヘルシーですよね。自分が実際本場で見てみてやりたいって思ってやり始めるというような。

西山 日本だと他の楽器をやるっていうのは、なんていうか…

柴田 ご法度じゃないけど、まずひとつを極めてから・・みたいな。

西山 そうなんです、でもバーゼル行くと普通にみんな他の楽器も演奏していて、ヴァイオリンの人がチェンバロ好きだからという理由で、ものすごく上手だったりとか。チェンバロの子よりも上手な子がゴロゴロいたりとか、チェンバロの学生で歌も上手とか…。

柴田 それこそ歌えて、ヴァイオリンも弾けて歌えるみたいな人、ドミトリー・シンコフスキーとか最近出てきて…。

西山 弾き語りする人も増えていますよね。

柴田 いますよね、そういう多才な人。

♪Chapter 2 二刀流、三刀流もOK!

柴田 日本では、ひとつのことだけを極めることの美、「二兎追うものは一兎も得ず」とか、そういう文化があると思うんですけど、古楽のいいところって違う楽器でもかぶってるところって多いじゃないですか。

西山 そうですね。ルネサンス、バロックの作曲家たちもいくつもの楽器を演奏していましたし。

柴田 チェンバロ弾けたら他の楽器弾くときに活かせるし、できないと全体の古楽として成り立たないというか。どういうふうに言ったらいいんでしょうね、楽器を学ぶっていうよりかは、古楽というジャンル・時代を学ぶという感じで研究していくと思うんです。いまハープとチェンバロ両方とも弾かれる方、日本ではまだ珍しいと思うんですけど、これから2つ以上楽器を一緒にやってみたいという人に、勧めていただけませんか?

西山 私の弟子の中にも、両方やり始めた人が最近どんどん出てき始めたので、もうきっと時代が変わってくるのだろうなと思います。通奏低音という楽器編成がそういう自由さを生むと思うのですけど。チェンバロでやるもよし、オルガンでやるのもよし、リュートでやるのもよし、ハープでやるもよしというアンサンブルが可能なのが古楽。そうすると広がる可能性があるし、組み合わせがまた多種多様じゃないですか。低音楽器も、ファゴット、チェロ、ガンバやヴィオローネでも・・・本当に組み合わせによっていろんな通奏低音の音色が可能になるので、そういう偶然に出来たサウンドを楽しむことができます。決まった編成だけではないんです。

柴田 バロック・ヴァイオリン/ヴィオラの朝吹園子さんのリサイタル聴きに行ったときに、まりえさんはチェンバロもハープも両方弾かれてましたが、けっこう演奏スタイルが対照的だなと思って。チェンバロのほうはパッショネートな感じで弾いてて、ハープの方はグレイスフルな感じですごいいいなと思いました。楽器によって得意・不得意な表現があるのが昔の楽器じゃないですか、一つひとつ特色がちがうというか。そういうのって自分のスタイルのなかにインテグレートしてやられてるところはあるんでしょうか?

西山 あると思いますね。ハープは極限にピアニッシモが可能なので、それを活かすような演奏になり、チェンバロはキラキラした金属弦の倍音が相当鳴りますので、そういうところを全面に出すようにしています。もちろんしっとりとするところもありますし、例えばバフストップやリュートストップもありますけど、楽器特有の面白さを両極端に出したほうが、ひとつのコンサートやプログラムのなかで面白いのかなと思っています。

柴田 楽器によって自分の「ペルソナ」というか、性格を変えたりするんですか? 僕の場合、ピッコロとモダンフルートでも、フルートとトラヴェルソでも、自分のキャラクターを変えた上で演奏します。楽器になりきって、それに合った体や息の使い方をする。もちろんトラヴェルソの中でも、3管式のフレンチバロック・フルートと4管のジャーマンのトラヴェルソでは全然ちがう。その楽器に適した人間になりきろうと頑張っているのですが、西山さんもそういうことを絶対してるんじゃないかと思うんです。なにか意識することってありますか?

西山 そうですね、究極的には、は本番で“無”になるようにしています。

柴田 “無”になる。ということは、あまり自分の中で「こういう人になろう」というのは考えずに、楽器に向き合ってるだけということでしょうか?

西山 自分で計画的に、ということではなく、何が来るかということを逆に待つという風にしていますね。

柴田 もうそこまでの境地に行けたってことですね。

西山 いやいや、まさか(笑) 行けるように練習して、チャンネルがちょうど合ったところで何が来るかというのを楽しみに待つということですね。

柴田 なるほど。でもそこに至るまでに、はじめテクニカル面での練習は絶対必要じゃないですか。

西山 もちろんです。そのための練習だと思っています。

柴田 わかります! いい話が聞けました。

♪Chapter 3 音楽史の時間に習った古い時代の音楽は、本当は眠くない!

柴田 日本人の古楽奏者のなかで中世からバロックまで、バーッとすべて弾けちゃう方ってなかなかいないと僕は思うんですよ。

西山 いや、まだ修行中です(笑)

柴田 いやいや、まあ人生ずっと修行するわけじゃないですか、僕たちね(笑)

西山 そうですよね(笑)

柴田 いま僕も後期バロックから、時代が逆行してロマン派に向かってますけど、たぶん行き着いたらまたこっち(バロック以前)に戻ると思っていますし、それが逆に古楽という“旅”の楽しみかなと考えています。まりえさんが今まで時空を超えて旅をしてきたと思うんですけど、「こういう体験をしてきました」とかありますか? 例えば、先日の前田りり子さんとのリサイタルのときに彼女が、「バロックをやるためには一つ前をやらなくちゃいけない、でもルネサンスをしようと思ったら、この前をしなくちゃいけない」という葛藤があったという話をされてたんですけど…

西山 それがチェンバロをやろうと思ったきっかけです。

柴田 なるほど。もともとはピアノを?

西山 そうです。大学4年の時に1年間副科で、ピアノ以外のオルガンかチェンバロをやろうと思ったのですが、チェンバロを履修したときに、同級生がコンクール受けるというので、どういう課題曲か聞いたら、知らない人ばっかり。バッハ以前の作曲家がこんなにいるというのを音大に4年も通っていたのに全然知らなくて。弾いてみたら1600年代のイタリアのピッキ(Giovanni Picchi 1571/72-1643)とかフレスコバルディ(Girolamo Frescobaldi 1583-1643)とか、本当に面白い鍵盤曲がいっぱいあるのに、それを危うく知らないで卒業するところでした。それで、バッハ以前の作品がこんなにあるんだったらやってみたいなと思いました。要するに初期バロックですね、そこからさっき話した「ヴェニスの商人」がきっかけでハープを勉強しようと思ったときに、中世のレパートリーもあるじゃないかと気づいて。眠い目をこすりながら一生懸命授業で聞いていた、西洋音楽史の授業の楽曲を自分で弾ける大チャンスなので、面白いなと思ったんです。普通の音大生が大学で一回でもみんな中世の楽器や作品の演奏を経験してたら、もっと音楽史も楽しく学べると思うのですが…。

柴田 意外と眠たくなるんですけど、音楽を聴いたらきれいな音楽がたくさんで。

西山 そう、癒やされるんですよ。ビックリします。

柴田 東京に住んでる人、みんな聴けばいいのに(笑)。ギスギスしたああいう社会から全然違うところに連れて行ってくれる。

西山 ピタゴラスの純正な響きとか本当にきれいなので。合唱でもいいですし、音大生が、願わくば古楽器で中世の作品を、あるいはモダンの楽器でも中世の楽曲に触れる機会があると良いと思います。

柴田 そのときにこの曲がすごい良かったというのはありますか?

西山 ジョスカン・デ・プレ(Josquin des Prez c.1450/1455)について先生が熱く語ってたいらしたんですけど、その時は若いから「早く終わって家帰って練習したいな」とか余計なこと考えてたんですけど(笑)、いざ音楽が流れると「これカッコイイじゃん!」と。わりとロックな感じだったりするし、エスタンピーなどの舞曲も、すごいカッコイイなと思って。でもまったく遠い存在だったので、まさか自分ができるなんて思っていなかった。だけど留学してみると、中世専門の学生がたくさんいたので、そりゃあビックリして。本当に世界はすごいなと思いましたね。

柴田 ジョスカンに惹かれて古楽をやり始めた人、多いですよね。シギス(注:シギスヴァルト・クイケン)も「俺、ジョスカン弾いてこの道に入った」と言っていましたし。ジョスカン・デ・プレで開眼する人はけっこう多いですね。

西山 当時の人も服を引きちぎるほど感動したっていう逸話がありますけど。そこまでね(笑)

柴田 その表現がね(笑)…やってみたほうがいいですかね?(爆笑)

西山 いや、できないですよ。相当着倒してクタクタになってないと(笑)

柴田 そういう体験を今の音大生に与えるきっかけが、もっと授業でもあればいいなと思います。まりえさんが先生になったらどんな音楽史の授業にしますか? 中世・ルネサンスあたり。みんな鎧着てもらいますか?

西山 それもありかもしれませんね。ルネサンス・ダンスとかね。

柴田 信州アーリーミュージック村(注:西山さんが芸術監督を務めるワークショップ)みたいなのとかね。あれ、見てて面白いと思います。

西山 「洗濯女のブランル」とか一回踊ってみたら絶対楽しいと思う。(注:Branle des Lavandières 16世紀に書かれたダンスの指南書、トワノ・アルボーの『オルケゾグラフィ』に含まれる作品)

柴田 僕は、日本では高校までしか音楽の授業を受けてないんですけど。どうしても受け身の授業になるじゃないですか。自分でアクティブになれるような、そういうカリキュラムとかね。

西山 大事! 昔の人は受け身でやってたわけじゃなくて生きた音楽をやってたわけですから。ぜひ体験したらいいのになと。

柴田 どうしても音楽の教科書も、興味を持ってもらおうとして、みんなポピュラーをどんどん入れていくじゃないですか。僕もビートルズは好きですけど、でもバロックあたりってまったく教え方が変わらないんですね。こっち(近現代)ばっかりどんどん変えていって、興味をもたせようとするんだけど、エデュケーションとして、西洋音楽とか西洋の和声が、いまみんなが使っている和声が生まれて育っていく過程・ルーツに対する教育法があんまり変わってないところを見ると、なんかちょっとわれわれ古楽器奏者でなんとかできるんじゃないかと僕は思うんですよね。

西山 そうですね。でも、ついこの間、最近は高校の音楽の教科書のどこかの版にメヌエットとガヴォットのステップが載ってるというのを知って、だいぶ時代は変化していると思いました。

柴田 だいぶ進歩ですね(笑)

西山 いま大学でも、毎週16名にチェンバロを教えているんですけど。やっぱりメヌエットを演奏するときに、「こんな感じの拍感だ」とか「どこで膝を曲げるプリエの動作をするのか」を教えると、急にみんなイキイキするんです。

柴田 みんな踊りたいのかな?

西山 やっぱり単に正しく演奏するものと思っていたのが、動かすもの、ムーブメントで音楽を捉えていたんだと実感したときの表情はやっぱり楽しそうですよ。

柴田 「これからどんどんまりえさんのクラスに来てください」っていう宣伝して大丈夫ですか?(笑)

西山 いや、でも増えてきましたよ、コンサート来てくれる学生も。彼らにとって全然知らない世界だと思いますけど。

♪Chapter 5 中世の騎士も愛のことばを旋律にのせた

柴田 逆に生徒じゃない方、音楽を専門とされていない方に対して、どういう風にきっかけづくりができると思いますか? そこはいつも僕考えて古楽祭もやっているんですけど、成功する時と失敗する時があって。

西山 どんな時が成功するんですか?

柴田 今までの中で一番良かった経験としては、ヘンデルのオペラから激しい感じのアリアばかりを取ってきてやったんですよ。そしたらいつもクラシック聴いてる人たちからすると、「なんかいつもと違うの聴いたな」という感じだったんですけど、僕の知り合いで、ふだんロッカーだったり新聞記者とか、全然違う職業の人からしたら、「めちゃくちゃロックンロールで面白かった」と。“ザ・クラシック”を聴いている人からすると、ちょっとやりすぎなんじゃないかと思うものが、意外と全然知らない人からすると、古楽っぽく弾くと「えらいノリノリでいいな」と思ってくれる、まだそこに差があるんだということに、僕は最近気がつきました。

西山 ビート感なのかなぁ。

柴田 そう、ビート感がね。カラヤンとか、ソステヌートを基調に音楽作りをしていた時代ってあるじゃないですか。そういうのからだんだん古楽の影響が出てきて、ベートーヴェン、下手したら今どきブラームスでもちょっとビート感を大事にしてシンフォニーを演奏し始める人が増えてきた。そういう演奏法に対して意外とオープンなのが観客で、昔から勉強している人のほうが「そんなのちょっとノリノリすぎて嫌だ」って人が多いから、そこのギャップがどういう風にこれから埋まっていくのかなって。でもそこは、僕はオーディエンス側で音楽祭を作っていきたいなっていうのがあるので。やっぱりクラシック音楽を聴いたことない人が来て楽しいと思うようになるプログラムを僕は目指して、よいしょ、こらしょとやってます。信州アーリーミュージック村では、どんなプログラムをやっているんですか?

西山 信州は、音楽祭というよりも合宿で勉強をするんです。なので、あえて中世の世界的なスペシャリストを海外から招聘したりして、絶対に日本で出会えないような人たちから中世を学ぶ、というようなことをやっています。

柴田 お客さんで全然こんな音楽知らなかったと、初めて聴いて感化されて好きになる人もいるでしょ?

西山 そう、本格的に始めた人いっぱいいます。今の生徒さんたちは、信州で出会った人も多いですよ。

柴田 そういう出会いの場、芸術への出会いの場を提供するのが僕は21世紀の音楽家の役目だなと最近思うようになって。ただ単に、音楽が好きな人のためにするんじゃなくて、芸術がどうやって一般社会の中で関わり合って、社会とのつながりを持たせていくのか。そのきっかけづくり、もしくは橋渡しが僕らがすべきことじゃないのかなと僕は近頃考えています。僕は最近いろんな人に「古楽は古くて新しい」と言ってるんですけど、そういった意味でまりえさんが思う古楽ってどんな存在だと思いますか?

西山 いくら古くても、同じ人間たちが奏でていた、要するに血の通った音楽だと思って、私は1200年でも、1300年でも、1400年でも取り組むようにしています。それを感じたときにすごく遠かった時代とむしろすごく近いという不思議な感覚になるんです。

柴田 今度、高松の古楽祭では、中世の吟遊詩人にまつわるプログラムを演奏していただけるんですよね。そういう存在が本当にいたのか、歴史の専門家のあいだでもよく議論になることなんですけど、当時は、貴族というか騎士団の中に音楽をしていた人がいたんですよね?

西山 中世の騎士というのは嗜み・教養として舞踊や音楽を修得するという習慣があったようで。特に竪琴を演奏するという…。マリー・アントワネット以降、美智子さまの影響もあるのか、今は女性がハープを奏でるというイメージがありますけど、グザヴィエ・ドゥ・メストレのような男性プレイヤーもいますよね。昔は騎士の嗜みだった。ワーグナーの《トリスタンとイゾルデ》のもともとの物語というのは、13世紀にヨーロッパで非常に有名になったお話。結ばれてはいけないトリスタンとイゾルデが、離れたお城でどうやって愛を交わしていたかというと、トリスタンがまずハープでメッセージを吟遊詩人に覚えさせて、それを吟遊詩人がイゾルデのお城に行って伝書鳩みたいに伝えて…とラブレターをハープのメロディと歌と両方で伝え合う。そんな非常にロマンチックなことをしていたというのがもともとの中世伝承の「トリスタンとイゾルデ」におけるストーリーの要なんです。愛の言葉ももちろんですけど、メロディによって悲痛なる想いも伝えていたのですね。今では、LINEで簡単にリアルタイムで伝え合って、既読もスルーするような時代になっていますけども(笑)、でも根本的には、現代の恋愛ドラマにも通じるし、似ているなと思います。

♪Chapter 6 近くの聴き手の心に

柴田 ルネサンス絵画などは日本でもそれなりに一般的知名度が高いですけど、中世やルネサンスの音楽はまだまだあまり知られていません。やっぱり楽器に対するアクセスがちょっと難しかったというのがあるんじゃないかと思うんですけどね。

西山 そうですね。ここに中世の鍵盤楽器、クラヴィシンバルムがあるんですけど、すごく軽いんですよね。チェンバロの祖先みたいな感じで非常に小型なんです。自然に、あるがままの筋肉で演奏しやすいものから、だんだん聴く人たちの数が増えたり、会場が大きくなっていったりして後の時代には大型化していきます。でも、この時代の楽器は、大勢のためにというよりも自分の心の慰めのために弾くぐらいの大きさで体の大きさにも非常に適しています。ここに集まった人たちとより心を交流させる…みたいな時には、私はこういう古い楽器というのはすごく適していると思うし、より聴き手の心に届くと思うんです。大きい場所には正直不向きかもしれないし、急に1万人、2万人を動員するコンサートにはなかなかなりえないと思うんですけど、一度ハマると長続きするっていうのが古楽なんですね。アマチュア・プレイヤーの方もそうです。それから聴いてくださる方もそうなんですよね。私は一人ひとりの心のどこかに響くことができれば…という気持ちでいつもいます。

柴田 まりえさんが一番お得意というか、どのへんの時代が心が帰ってくる “ホームグラウンド”なんでしょうか。

西山 各ハープとチェンバロで時代とレパートリーががちょっと違うと思うんですけど、ハープだと圧倒的に1600年ぐらい。バロック・ハープの時代です。モンテヴェルディなどの時代ですね。イタリアでバロック・ハープが一番元気だった、ピンポイントなんですけど。チェンバロだと私は18世紀も大好きです。

柴田 前半ですか? 後半ですか?

西山 後半も好きです。フランス・バロックのちょうど熟れて朽ち落ちるあたり(笑)。マリー・アントワネットあたりとか好きですね。ルイ15世とか。

柴田 これだけは無人島に連れて行くという1曲は何ですか? 無人島に楽器を持って行くって言ったらハープになるんですか、チェンバロになるんですか?というのをちょっと聞いてみたいなと。

西山 チェンバロだと無人島に持って行ってもね…(笑)。

柴田 改造して脱出用ボートになるかもしれないけど。

西山 この下に寝るとかね(笑)。ハープだと持ちやすいかな。そういう風に考えちゃうかな。

♪Chapter 7 通奏低音楽器としての役割

柴田 チェンバロとハープというかなり異なる2種類の楽器を演奏されていますが、音楽づくりにおいて両者で異なるところがあるのか、というのがすごく聞きたいポイントです。たとえばバロック・ハープとチェンバロが一緒に弾く曲ってあまりないと思うんですけど、もしもあるとしたらそこで音楽づくりが変わってくるんですか? 聴いている側からすると、それぞれがどういう役割をしているのか、というのがわからないと思うんですね。もしよかったら「通奏低音(バッソ・コンティヌオ)における」というところに絞ってみましょうか。

西山 チェンバロとハープ、一緒に演奏することもありますよ。ただ、それぞれのキャラクター分けはしつつ楽器編成を考えたり、トゥッティで奏します。たとえば1600年代初頭頃のイタリアン・チェンバロの役割というのはダンスの伴奏だったんです。だから、たとえば作曲家のジョヴァンニ・ピッキはダンス(舞踏)の先生でもあって、舞曲もいっぱい書いています。ビートを作るという意味ではチェンバロはものすごく有効だし、私は今のエレキギターに近いものがあると思います。

柴田 一方でハープは?

西山 ハープは、もちろん舞曲で弾かないわけじゃないですが、レチタール・カンタンド(recitar cantando)と言われる、語るように歌う時の…

柴田 横で寄り添う感じの。

西山 そうですね。音量も本当に自在にできますし、チェンバロだと表現しきれないppもありますね。

柴田 (通奏低音には)時々テオルボ(注:バロック時代に広く使われた長いネックを備えたリュート属の楽器)とかも入ってくると思うんですけど、あそこらへんのバッソ・コンティヌオ部隊って喧嘩とかよくするんですか?

西山 いえ、あまりしたことないですよ。

柴田 けっこう平和主義なんですか、皆さん。

西山 バッソ・コンティヌオは、私の場合はわりと仲間になって結束するほうが多かったです。指揮者に怒られたりしないようにみんなで頑張ろうね、みたいな(笑)

柴田 まりえさんは“どソロ”で演奏されることもあると思うんですけど、最近も、朝吹園子さん、﨑谷直人さん等と共演していましたよね。古楽の場合の共演者って対等だと思うんですけど、特にバッソ・コンティヌオにおいてどういう風に上声部と音楽を作るのか。まりえさんなりの考えを教えてもらえませんか。

西山 通奏低音は自由度が高い分、ものすごくいろんな可能性があるので、ソリストと、または他の人たちとの兼ね合いでも相当変えられるんですよね。もちろん、モダンのヴァイオリンの人と演奏する時と違うかもしれないし、厚みも違うかもしれない。ただやってみると意外に「モダン」「バロック」ということじゃなくて、パーソナリティによってというか、自分の右手と、タイミングとアルペジオと切り方と…本当に全部変える。

柴田 良いですね。まりえさんみたいな方に「モダンとか関係なくパーソナリティ」と言っていただくと、僕は安心したというか。

西山 そうなんですか?!

柴田 「モダン」「古楽」で割っちゃって偏見をつくるよりは、結局パーソナリティ個々で全然違って、どういう風に合わせていくか、作っていくかが、ウチらアーティストとしての仕事だと僕も思っていますし、まりえさんにそういうことを言っていただくと、ホント嬉しいですね!

♪Chapter 8 指揮者なしのアンサンブル

柴田 そういえば、最近、モダン・オケと共演されましたよね。ブランデンブルク協奏曲どうでした?

西山 今年のはじめに古楽器、バロックの人たちとブランデンを全曲演奏して。また5月に新日本フィルとブランデン全曲という機会をいただきました。4ヶ月くらい間を置いてという具合だったのですけど、オケでもヴァイオリンでも「モダンだから」という答えにはきっとならないと思うんですよね。このあいだは新日本フィルさんの音楽づくり。そしてソロ・コンサートマスター崔文洙さんの音楽づくりだし。コンマスさんが違えば全然違う。バロックだってやっぱりそうだし。一概には言えないですけど、その瞬間、瞬間ですよね。

柴田 ブランデンだとたぶん指揮者はいなかったと思うんですけど…

西山 はい、今回はいませんでした。

柴田 ふだんから指揮者がいない中で音楽を作っていくことが多いと思うんですけど、それはまりえさんにとってプラスに働いてると思いますか?

西山 指揮者がいてこその演奏もあれば、楽団員で作り上げる呼吸感、それぞれ良いことはありますよね。

柴田 「タクトゥスが決まっているんだから、あまり動くな」っていう人もいるけど、一定のテンポの中のフレキシビリティっていうのがあるので、アンサンブルの中でお互いに動きで示すというのはアンサンブルの面白いところだと思うんですけどね。

西山 その話とは違うかもしれないんですけど、ジェネレーションによってビートの捉え方が、私は変化していると思うんです。

柴田 進化していると思いますね、確実に。言葉で説明するのは難しいんですが、僕がヨーロッパの若い古楽団体で体験したのは、ビートを縦だけでなく、立体的にとっていること。縦を合わせてすべての楽器が同時に奏でるのではなく、重きをおくビートに低音楽器からから0.01秒ずつ重ねていって音が立体的に盛り上がり、時々一拍目が二拍目にかぶさって聞こえる、大根を切るような縦割りじゃなくて。あれを指揮者なしで阿吽の呼吸で行えた時は、マジでシビれます! さっきのダンスじゃないですけど、それを見せて言わずもがなみんなシェアできる。それをヨーロッパで僕ら学ぶじゃないですか。相手がどういう風に音楽を作ろうとしているのかを感じ取って、その瞬間にハプンさせる(起こさせる)というか。そういう教育を今後も、日本の若いプレイヤーたちにも広まってほしいと思います。

♪Chapter 9 中世はユニークな音楽の宝庫

柴田 たかまつ国際音楽祭では、中世のプログラムを演奏してくださいますよね、

西山 はい、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンやギョーム・ド・マショー、聖母マリアのカンティガスなど中世の作品を演奏します。ヒルデガルトは、ドイツで幻視体験をし、薬草について効能などをまとめ書籍化した人物で、作曲もしてプサルテリーとハープ奏者でもあった女性です。もしかしたら音大生よりも医学界の人やハーブ、アロマテラピーなどの分野の人のほうがご存知かもしれません。

柴田 中世にそんなユニークな女性作曲家がいたんですね。

西山 13世紀の有名な『聖母マリアのカンティガ集』に含まれる「薔薇のなかの薔薇 Rosa das rosas」という曲があるんですが、この時代には女性を花に喩えることが多く、「薔薇のなかの一番の薔薇が聖母マリアだ」と歌詞のなかで言っているんです。いまジェンダー平等とか言いますけど、世俗作品の歌詞でも非常に女性を大切にしている歌詞が多いんですよね。一時期は「暗黒の中世」と言われていた時代もありますけど、実はそうではないということが最近、明らかになってきています。もっとカラフルで煌びやか、そして女性を大事にしている時代だったんですよね。

柴田 ぜひ森元総理にも聴きに来ていただいて…(笑)

西山 今回、たかまつ国際古楽祭に出演させていただき、幅広い年齢層のお客様にこうした楽曲を中世のハープで聴いていただけることは、とても貴重な機会ですし、楽しみにしています。芸術監督の柴田さん、こういう時期ですのでいろいろご苦労もおありと思いますが、本当にありがとうございます。

柴田 こちらこそ、ありがとうございます! ちなみに、まりえさん自身を花に喩えると何だと思われますか?

西山 ワタシ!?(笑) 何だろう…?

柴田 自分で言っていただくのは恐縮なんですけど。何の花が一番好きですか?

西山 一つに絞れないけど…もし選んだら、選ばれなかった花たちがかわいそうな気がする。

柴田 楽器もたくさん弾いてらっしゃるところをみると、やっぱりひとつに絞れないタイプなんでしょうか?

西山 そうかもしれません(笑)

柴田 やっぱり。お好きな料理は何ですか?

西山 作る料理みんな美味しいと思ってしまうし、一個に絞れないですね。

柴田 ですよね! 僕もうどんか蕎麦か絞れないんですよね。実は、どちらかというと蕎麦派なんです。あんまり言っちゃうとキャラクターが崩れてしまうのでアレなんですけど(笑)。


【Concert Information】
第4回たかまつ国際古楽祭
2021.9/25(土)〜9/26(日)

西山まりえ&柴田俊幸・鈴木大介コンサート
9/26(日)14:00〜15:10(開場13:30)
14:00〜14:30 西山まりえゴシック・ハープコンサート“吟遊詩人の竪琴”
14:30〜15:00 柴田俊幸・鈴木大介コンサート
出演:西山まりえ(ゴシック・ハープ)/柴田俊幸(ロマンティック・フルート)/鈴木大介(ロマンティック・ギター)
会場:香川県文化会館 芸能ホール


まずは初めて楽器に触れる人にオススメだという小型のハープからチャレンジ

🎼 Pause(小休止)🎼 シバタ、はじめてハープを体験する
西山 椅子に座って、右肩に(ハープを)乗せて。
柴田 僕なんでこんな行儀良いんでしょうかね。足はどう押さえるんですか。
西山 そんな感じ。
柴田 これでいいんですか!?
西山 左手でこっちを持って…左利きですか?
柴田 トランプとかカードを切る時は左手ですね。
西山 鉛筆は?
柴田 右。
西山 お箸も?
柴田 左も使います。
西山 左利きだったら右手でこの辺を持っていただいて。
柴田 ポジションをどうやるんですか。
西山 (音を鳴らして)こういう感じ。私がこれを押さえているので、できれば両手で。赤がドなのでドソドソ…右上の方へ。
柴田 (音を鳴らして)今これはピッチはなんですか?
西山 これは440 Hz。
柴田 ドとソだけで弾ける曲ってあるんですか?
西山 ドローン、伴奏(笑)
柴田 何もないですよね。色々付いているのは半音階下げたり上げたりするやつ?
西山 これはモダンのレバーハープなので半音上げがレバーでできるんです。
柴田 本当は付いていないから…
西山 ゴシック・ハープだとこういうのが…中世のハープだとこういう機能が一切付いていないので自分の指で押さえて弦の長さを短くして半音上げたりする。

弦が2列に張られたルネサンス・ハープにも挑戦!

西山 柴田さんって、フルートを吹いてらっしゃる時も、足をきちんと揃えていらっしゃいますよね。
柴田 行儀が悪いとよく言われるので、その時以来、意識的に行儀良くしようかなと。
西山 このポジションもフルートに似ているなって(笑)。
柴田 キャラがどんどん崩壊していく。思うんですけど、僕はハープ弾けないです。
西山 え、どうして?!
柴田 ドソ以外弾く勇気がない。
西山 じゃぁ、レラレラ。1個ズレて。
柴田 アントワープ時代、ハウスメイトの一人がハーピストだったんですど、全然ハープを触らせてくれなかったので、運ぶの専門。「トシ〜、運ぶの手伝って〜」みたいな。アッシー君を時々やっていました。だから、こんなハープあるんやなぁって。
西山 ベルギー人ですか?
柴田 はい、モダンの方でしたけど。手も足も動かして、とても忙しそうでした。
西山 あっち(モダン)は重いからね。50kgぐらいあるでしょ。
柴田 「彼氏にできる基準はハープを運べる人」と言ってました。それだけの筋肉がある人。
西山 選ばれなかったんですね。
柴田 (僕には筋肉)ないし。俺フルートだし。軽い楽器だし、チューバの人とか選んだらいいですよね。


西山まりえ Marie Nishiyama(チェンバロ/ヒストリカル・ハープ)

チェンバロとヒストリカル・ハープ2種の古楽器を自在に操る希有なプレーヤーとして世界的に知られ、数多くのコンサート、音楽祭や録音に参加。ルネ・ヤーコプス、カルロス・ヌニェス、ミカラ・ペトリ、山下洋輔、波多野睦美、藤原道山、森山開次など幅広いジャンルに亘るアーティストとの共演は常に多くの反響を呼んでいる。国内外レーベルでの録音はその多くが「レコード芸術」誌特選盤や朝日新聞推薦盤に選ばれるなど高く評価されている。2019年リリースの「J.S.バッハ:トッカータ集」は、令和元年度文化庁芸術祭参加作品、朝日新聞推薦盤、「レコード芸術誌」特選盤に選ばれた他、様々な雑誌で採り上げられ話題となっている。東京音楽大学ピアノ科卒業、同大学研究科修了後、ミラノ市立音楽院、バーゼル・スコラ・カントールムに留学。第11回山梨古楽コンクール・チェンバロ部門第1位(第23回同コンクール審査員)および栃木[蔵の街]音楽祭賞受賞。古楽ワークショップ「信州アーリーミュージック村」芸術監督。武蔵野音楽大学非常勤講師。

https://marienishiyama.com

柴田俊幸(フルート/フラウト・トラヴェルソ)

Toshiyuki Shibata (c) Shiho Kozai

フルート、フラウト・トラヴェルソ奏者。大阪大学外国語学部中退。ニューヨーク州立大学卒業。アントワープ王立音楽院修士課程、ゲント王立音楽院上級修士課程を修了。ブリュッセル・フィルハーモニック、ベルギー室内管弦楽団などで研鑽を積んだ後、古楽の世界に転身。ラ・プティット・バンド、イル・フォンダメント、ヴォクス・ルミニスなど古楽器アンサンブルに参加し欧州各地で演奏。2019年にはB’Rockオーケストラのソリストとして日本ツアーを行った。ユトレヒト古楽祭、バッハ・アカデミー・ブルージュ音楽祭などにソリストとして参加。アントワープ王立音楽院音楽図書館、フランダース音楽研究所にて研究員として勤務した。たかまつ国際古楽祭芸術監督。   『音楽の友』『パイパーズ』『THE FLUTE』Webマガジン『ONTOMO』などに寄稿。

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