ポーランド国立フリデリク・ショパン研究所(Fryderyk Chopin Institute / NIFC)は、第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール International Chopin Competition on Period Instruments を2023年10月5日〜15日にワルシャワ・フィルハーモニーで開催すると発表した。
このコンクールは、近年のピリオド楽器演奏の隆盛を受け、作曲家と同時代のフォルテピアノを使用し、当時の演奏習慣を反映したショパン作品の解釈を目指して2018年に創設された。第1回は、地元ポーランドのトマシュ・リッテルが優勝。また、川口成彦が第2位に入賞したことで、日本国内でも大きな話題を呼び、フォルテピアノという楽器そのものへの注目度もこの数年で格段の高まりをみせている。18年は初回開催ということもあり、楽器経験の浅い奏者の出場も多かったが、今回NIFCが5年に一度の定期開催に舵を切ることで、歴史的鍵盤楽器の普及、また作品へのアプローチや聴衆側の受容といった面においても、大きな影響を与えそうだ。
出場者は、NIFCが所蔵する8台のピアノ(19世紀のオリジナル、またはその復元楽器)の中から、好きな楽器を選んで演奏することができる。
◎第2回のコンクールで使用される楽器(予定)
グラーフ(ウィーン, c.1819)モデル(2007)
ブッフホルツ(ワルシャワ, c.1825)モデル(2017)
エラール(パリ, 1838)
ブロードウッド(ロンドン, c.1843)
プレイエル(パリ, 1848)
エラール(パリ, 1849)
プレイエル(パリ, c.1854)
エラール(パリ, 1858)
楽器コレクションについての詳細は以下のページを参照
http://fortepian.instrumenty.edu.pl/pl/kolekcje/collections/collection/5
今回は日程のみの発表で、課題曲などの詳細は未定。現在のところ、審査員の顔ぶれも不明だが、前回同様、フォルテピアノのスペシャリストとピリオド奏法にも精通したモダンピアノ奏者が混在する形になることが予想される。本家のショパン国際ピアノコンクールも盛り上がりをみせるなか、NIFCのもうひとつの軸として重要な位置を占めるピリオド楽器コンクールが、今後どのような形で“ショパンの精神“を体現していくのか。そして、審査の基準をどのように考えていくのか。来年の開催に向けての動きを注視したい。
International Competition on Period Instruments
https://iccpi.eu/en/2023/