[サラダ音楽祭]トーキョー・メット・サラダ・ミュージック・フェスティバル 2021

赤ちゃんから大人まで夢中にさせる多彩なメニューの音楽祭

 「歌う! 聴く! 踊る!」(Sing and Listen and Dance=SaLaD サラダ)をテーマに、だれもが音楽の楽しさを全身で感じられる「サラダ音楽祭」が、今年は真夏にスタートする。8月12日、13日にメイン会場の東京芸術劇場や池袋駅周辺のオープンスペースで開かれる公演のほか、オンラインでも無料公開されるコンテンツが多数用意されている。10月9日、10日には東大和市や武蔵野市でのオーケストラ公演、その他多摩および島しょ地域での室内楽公演も入場無料にて開かれる。

目と耳を奪うゴージャスなステージ

 音楽祭の大きな柱となるのが、大野和士指揮東京都交響楽団による2つのオーケストラ・コンサートだ。「音楽祭メインコンサート」(8/13 15:00)は、オーケストラ×歌×ダンスが魅せるサラダ音楽祭ならではのスペシャル企画。昨年に引き続き、洗練されたダンスで高い評価を得ているNoism Company Niigataが登場し、ジョン・アダムズの「ザ・チェアマン・ダンス」で都響とコラボする。Noism副芸術監督の井関佐和子は、マーラーの交響曲第5番第4楽章「アダージェット」で深淵な舞を披露する。世界的ハープ奏者の吉野直子が独奏を務めるカステルヌオーヴォ=テデスコの「ハープと室内管弦楽のための小協奏曲」も注目のプログラムだ。ソプラノの小林厚子と新国立劇場合唱団が歌い上げるプーランクの壮麗な「グローリア」にも期待が高まる。

 柱の2つ目は0歳児から入場可能な「OK! オーケストラ」だ(8/12 11:00 15:00)。客席内はソーシャル・ディスタンスを確保しつつ、家族ごとに座ることができる座席指定。都響が得意とする交響組曲『ドラゴンクエストV』序曲や、「星に願いを」などのメドレーのほか、アンダーソンの「プリンク・プランク・プランク」やオッフェンバックやサン=サーンスの親しみやすい歌劇のナンバーも取り上げ、オーケストラ・サウンドの楽しさと迫力を子どもたちに伝える。こちらは近藤良平の振付によるコンドルズのダンスが加わり、東京少年少女合唱隊が晴朗な歌声を響かせる。子どもたちに大人気の小林顕作が2年ぶりに司会のマイクを握り、会場をひとつにして盛り上げてくれることだろう。

子どもたちの感性を刺激するユニークなオペラや、
ワクワクするワークショップも用意

 サラダ音楽祭が例年力をいれている子ども向け鑑賞型プログラムとして、今年はヨーロッパ発の本格的な子ども向けオペラ《ゴールド!》が初上陸(8/12, 8/13 各日13:00)。“東京版”新演出としてソプラノの柳原由香、打楽器奏者の池上英樹が出演する。グリム童話をもとにした少年ヤーコプとふしぎな魚のものがたりで、歌手と打楽器奏者が繰り広げるユニークな音楽が、子どもたちの柔らかな感性を刺激してくることだろう。演出は菅尾友。

 感染症対策を徹底の上、さまざまな参加型プログラムも用意されている(8/12, 8/13)。2019年に大好評を博したAI技術によって誰でも指揮者になれる「バーチャルオーケストラを指揮しよう!」がバージョンアップして開催されるほか、木彫アーティストのムラバヤシケンジによる箱型打楽器カホン作りワークショップも注目コンテンツ。都響メンバーと共演できるアンサンブル、コンドルズによるダンス、新国立劇場合唱団による歌のワークショップも人気が高いので、お早めの事前申込(8/8まで)を。

 子どもから大人まで、クラシック入門者からコアな音楽ファンまで、みんなが楽しめる「サラダ音楽祭」を、夏休みのスケジュールに加えてみてはいかがだろうか。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2021年8月号より)

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●8/12-13開催「サラダ音楽祭」メインコンサートの観どころ&聴きどころ
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メインプログラム
2021.8/12(木)、8/13(金) 東京芸術劇場、池袋エリア
スペシャルコンサート
10/9(土) 東大和市民会館ハミングホール
10/10(日) 武蔵野市民文化会館
問:サラダ音楽祭事務局03-5330-3080 
https://salad-music-fes.com
*各公演やワークショップの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。