未来を嘱望される若手音楽家が学びの成果を披露する

2019年8月スカラシップ コンサートVol.21 より(C)佐々木卓男

 次代を担う若き音楽家たちが、奨学生として国内外で学んだ成果を披露する「ローム ミュージック ファンデーション スカラシップ コンサート」。2021年度は「愛のテーマ~恋と友情と~」との副題のもと、7月31日から8月28日にかけて、京都と東京で計10公演が開かれ、ピアノから弦楽器、管楽器、声楽など、幅広い分野で真摯に音楽に取り組む計44人の俊英たちが参加、瑞々しい調べを紡ぐ。

 公益財団法人ローム ミュージック ファンデーションは1991年の設立以来、音楽文化の普及・発展のため、日本国籍を有し欧米や国内の教育機関で学ぶ音楽学生や、日本において音楽を学ぶ外国籍の学生を対象に、月額30万円を原則1年間支給する奨学制度を実施。その学びの成果を広く聴衆に問う機会を与えると同時に、覇気あふれる快演に1人でも多くの人に触れてもらおうと、2013年度からは京都で「スカラシップ コンサート」を開催してきた。

 同コンサートへの出演者の中からは、2010年にジュネーヴ国際コンクールのピアノ部門で日本人初の優勝を果たした萩原麻未や、12年にロン=ティボー国際コンクールのヴァイオリン部門で2位となった成田達輝、17年にエリーザベト王妃国際コンクールのチェロ部門で2位入賞を果たした岡本侑也をはじめ、今や国際的に活躍する多くの逸材を輩出。聴衆にとっては、まさに未来のクラシック界を担う若き音楽家の快演に、いち早く触れることのできる場ともなってきた。

 今回は特に、新型コロナウイルス感染症という未曽有の災禍の中で、留学先の各国でのロックダウンなどの現実を直接体験して、「音楽を学ぶ意義」とともに、そもそも、「緊急事態下にあって、音楽家とは」という究極の問いに対峙してきた奨学生たち。その内面の葛藤の記録は、ローム ミュージック ファンデーションのブログ内にある「奨学生レポート」に、赤裸々に綴られている。しかし、これらの経験は、必ずや今後の彼らの演奏家人生の貴重な糧となるはずだ。

 今年度の「ローム ミュージック ファンデーション スカラシップ コンサート」は、より多くの音楽愛好家の耳に届けたいとの思いから、従来から行っている京都公演に加え、初めて東京での3公演を開催。計10公演にはそれぞれ、4~6人の俊英たちが出演し、師弟関係や親子など、様々な「愛」をテーマに自ら選んだプログラムを、心を込めて披露する。また、今年度は、新型コロナウイルス感染症対策のため、各ステージは休憩なしの約1時間の公演に。オンラインでの有料配信も実施する。
文:笹田和人

ローム ミュージック ファンデーション スカラシップ コンサート
https://micro.rohm.com/jp/rmf/lp/scholarship_2021