バッティストーニ 生誕100年のピアソラを振る

 東京フィルハーモニー交響楽団が、首席指揮者アンドレア・バッティストーニ指揮による5月定期演奏会の実施を発表! 5月12日(水)の東京オペラシティコンサートホールを皮切りに、サントリーホール、Bunkamura オーチャードホールと3公演を行う。

 リハーサル中のマエストロよりコメントが届きました!
「14日間の待機は、東京フィルの音楽家たちと一緒に仕事ができるという名誉を考えれば、小さな代償にすぎません。このちょっとした犠牲に対する最大の報酬は、私が最も好きな作曲家の一人であるドヴォルザークの音楽の素晴らしいコンサートを軽井沢で行ったことです。
音楽家たちのエネルギーと献身が、音楽を輝かせ、私に大きな感動を与えてくれました。
今は、これからの定期演奏会を楽しみにしています。パンデミックという緊急事態の中で演奏できることは、とても幸運なことだと思いますし、この感動を私たちと共有したいと思ってくださる観客の皆さんに感謝しています。
私たちの使命は何があっても音楽を作ることです。ウイルスとの闘いが続く中、皆さんに喜びと感動をお届けできればと願っています。
芸術や音楽は、すべての人を慰め、魂に力を与えてくれるものですから」

5月定期演奏会 リハーサルよりアンドレア・バッティストーニ
写真提供:東京フィルハーモニー交響楽団

 コロナ禍中で、1月の定期以来、今年2度目の来日を果たしたバッティストーニ。5月定期のプログラムは、アルゼンチンタンゴの巨匠アストル・ピアソラ(1921〜1992)生誕100年を記念しての「シンフォニア・ブエノスアイレス」日本初演と、プロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」組曲より。

 今回、話題のピアソラの「シンフォニア・ブエノスアイレス」。原題が「ブエノスアイレス(3つの交響的楽章)」と言い、タンゴから距離を置き始めた1951年に書かれた、ピアソラの数少ない交響的作品。ヒナステラからの影響を反映させたカラフルでアグレッシブな作品となれば、バッティストーニにこれ以上ふさわしいものもない。オリジナルの楽譜では2台のバンドネオンを要するが、今回の日本初演では日本を代表するバンドネオン奏者、小松亮太と北村聡が出演。オリジナルでの演奏回数が少ないだけに貴重な機会となる。一方のバレエ音楽「ロメオとジュリエット」は、マエストロ生まれ故郷イタリアのヴェローナを舞台にしており、バッティストーニ自身がプロコフィエフによる第1組曲と第2組曲からセレクトして披露するという。

写真提供:東京フィルハーモニー交響楽団
小松亮太(左)と北村聡(右)  写真提供:東京フィルハーモニー交響楽団

 予定されている3公演は、東京都の指針に即し、各公演劇場収容定員の約半数の販売となるが、12日(東京オペラシティ)、16日(Bunkamura)の2公演は当日券・当日学生券の販売も予定されている(来場される際は「東京フィルの実施する新型コロナウイルス感染症予防対策について」をご一読ください)。バッティストーニの情熱的なタクトで、ピアソラの聖地アルゼンチンとヴェローナの雰囲気を味わいたい。

写真提供:東京フィルハーモニー交響楽団


【Information】

第138回 東京オペラシティ定期シリーズ
2021.5/12(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
第952回 サントリー定期シリーズ
2021.5/13(木)19:00 サントリーホール(予定販売枚数終了)
第953回 オーチャード定期演奏会
2021.5/16(日)15:00  Bunkamura オーチャードホール

指揮:アンドレア・バッティストーニ(東京フィル 首席指揮者)
バンドネオン:小松亮太、北村聡*

― 見果てぬ夢を ―
ピアソラ/シンフォニア・ブエノスアイレス〜ピアソラ生誕100周年〜(日本初演)*
プロコフィエフ/バレエ音楽『ロメオとジュリエット』組曲より

問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522
https://www.tpo.or.jp