クセナキスと日本

先鋭的な音響体験に浸る稀有の1日

加藤訓子 (C)Michiyuki Ohba

 国際的に活躍する打楽器奏者・加藤訓子が、「クセナキスと日本」と題した、興味津々のイベントを行う。これは、オール・クセナキス・プログラムでおくるワンデイ・フェスティバル。響き抜群のめぐろパーシモンホールで、この20世紀きっての現代音楽作曲家に関する様々な企画が実施される。最注目は大ホールの「18人のプレイアデス」。斯界屈指の傑作「6人の打楽器奏者の為のプレイアデス」に、加藤のもとで約5年間鍛錬を積んだ若手奏者達が、各楽章それぞれ6人ずつ総勢18人で挑む。曲は凄絶な音響宇宙。全楽章の生演奏は稀ゆえにこれは貴重な機会だ。また小ホールでは、加藤のほかピアノの高橋アキや邦楽器奏者等も出演し、4つの名曲がリサイタル形式で披露される。むろんこちらも見逃せない。さらに、大ホール公演の前にはロビーパフォーマンスが行われ、小ホール内には「HIBIKI-HANA-MA」(音と映像のインスタレーション)のエキシビションが展示されるなど盛りだくさん。今なお清新で刺激的な音楽世界をぜひ満喫したい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2021年5月号より)

2021.6/5(土)14:00 16:00 19:00 めぐろパーシモンホール(14:00のみ小ホール)
問:めぐろパーシモンホールチケットセンター03-5701-2904
https://www.persimmon.or.jp 
https://npo-artsworks.org/ja/pleiades