コロナ禍での挑戦〜宮城の学生たちによるベートーヴェン「合唱幻想曲」動画配信スタート

 東北地方で唯一音楽科を有する4年制私立大学である宮城学院女子大学では、コロナ禍の今年9月、音楽科の学生と教職員がベートーヴェン「合唱幻想曲」の多重録音・ 録画に挑戦。ベートーヴェンの生誕250年である2020年に、コロナ禍の影響を受けながらも、真摯に音楽を学ぶ学生たちの前向きなメッセージが伝わってくる動画が制作された。

本編動画より

 「合唱幻想曲」はピアノ独奏、独唱6名、合唱とオーケストラという編成で、演奏機会の少ない曲ではあるが、ユニークで、編成など交響曲第9番を先取りしているかのような作品。学生たちは遠隔授業で曲を学び、ソーシャルディスタンスを守りながら、限られた人数で収録した。特任教授でピアニストの及川浩治が独奏を務め、オペラ歌手として活躍するテノールの西村悟やバリトンの青山貴らが客演。卒業生や音楽科の教員でもある仙台フィルのメンバーも出演した。収録は総勢143名が参加し、大学講堂にて4日間をかけて行われた。

本編動画より

 学生の指導や音響の仕上げまで、プロジェクトを統括したのは特任教授・指揮者の船橋洋介。この動画について「指揮活動がストップしている中で、教育に携わるところから、新たな可能性を発信できることは唯一の救いでもあります。地方の小さな音楽科とそこに学ぶ学生たちが、生き生きと頑張っていることを内外にアピールできればと願うものです」とコメントしている。

 動画は、宮城学院女子大学学芸学部音楽科のウェブサイトにて3月31日まで配信中。本編動画のほかにメイキング動画もあわせて視聴することができる。

本編動画より


【Information】
「今、音楽と共に生きる」〜音楽を学ぶ学生たち、宮城・仙台からの挑戦〜
多重録音・録画による ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン「合唱幻想曲」

ピアノ:及川浩治
ソプラノ:佐藤初音
ソプラノ:千葉菜々美
アルト:井坂 惠
テノール:西村 悟(客演)
テノール:吉田一貴(客演)
バリトン:青山 貴(客演)

指揮:船橋洋介

宮城学院女子大学音楽科オーケストラ
宮城学院女子大学音楽科合唱団

配信:3月31日(水)まで

宮城学院女子大学学芸学部音楽科
http://www.mgu.ac.jp/main/departments/gakugei/mu/index.html
https://www.mgu.ac.jp/main/departments/gakugei/mu/movie/