林美智子はじめ豪華キャストでおくるオペラ《カルメン》ハイライト!

林 美智子 ©Toru Hiraiwa

 オペラ《カルメン》の主人公は、何より束縛が嫌いである。だから、恋人が縋り付いても振り向かず、生命と引き換えに自分を貫く。カルメンが欲しいのは「魂の自由」なのだ。この4月のアフタヌーン・コンサート「オペラ《カルメン》〜愛、燃ゆる〜」では、この傑作のエッセンスが堪能できるはず。何しろ「怖気ず自己主張する」4人のスター歌手—林美智子(カルメン)、安藤赴美子(ミカエラ)、西村悟(ホセ)、今井俊輔(エスカミーリョ)が一堂に会し、烈しさ極まりない悲劇を作るというのだから。大ベテランの池田直樹が語り役を務め、人格者のピアニスト河原忠之が登壇するのも、この「四人の美しき猛獣たち」を纏めあげるためだろう。

 ちなみに、前半は日本歌曲集とのこと。名歌手勢のとびきりの美声なら、日本語の爽やかさもオペラのフランス語の奥深さも鮮明に伝わるに違いない。初演150周年のいま、このステージで名作《カルメン》の「鋭さ」を味わってみて!
文:岸 純信(オペラ研究家)
(ぶらあぼ2025年4月号より)

オペラ《カルメン》 ~愛、燃ゆる~
2025.4/14(月)13:30 東京オペラシティ コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 
https://www.japanarts.co.jp