東京オペラシティ B→C 會田瑞樹(パーカッション)

さまざまな打楽器を駆使し、創造と表現の最前線へ

C)Shoichi YABUTA

 若い才能を積極的に発掘してきた東京オペラシティ リサイタル シリーズB→C(バッハからコンテンポラリーへ)にパーカッショニストの會田瑞樹が登場する。
 作曲家との協業を通じ打楽器創作の世界を精力的に切り開いてきた會田は、すでに200曲以上の初演曲を誇り、リリースしたCDも3枚を数える、その界隈ではつとに知られた名手である。今回のリサイタルはそのポテンシャルをより幅広い聴衆層にアピールするチャンスだが、そんな機会すら新機軸の試みの場へと変えてしまう。チャレンジこそ生き様だ、と言わんばかりの勢いを感じる。

 中学生だった會田に衝撃を与えた、13個の膜質打楽器を叩きまくる石井眞木「サーティーン・ドラムス」以外は、會田が委嘱し誕生した曲が多く並ぶ。たとえば、多彩な音色で幻想的な世界を描き出す内藤明美「砂の女」、ヴィブラフォンのまばゆい音色が心地よい波動を生む権代敦彦「光のヴァイブレーション」、アイヌ語の断片を挟む佐原詩音「ペトルンカムイ」などいずれも會田が初演した力作だ。

 さらにインドネシアでの国際交流事業で知り合ったウェリ・ヘンドラッモコを招き、彼の作品並びに會田の自作を二人で演奏するとともに、気鋭の作曲家・薮田翔一に新作を委嘱、ガムラン楽器と箏(金子展寛)との“異種格闘”の三重奏も繰り広げる。B→Cでは必須のバッハ作品(今回はプレリュードとフーガ BWV543)も、箏とヴィブラフォンによる編曲バージョンを白藤淳一に委嘱。ここに世界の重鎮・細川俊夫の新作初演が加わる“攻めっぱなし”のプログラムだ。聴き手も覚悟して臨もう。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2020年4月号より)

【information】
2020.4/18(土)15:00 日立システムズホール仙台(仙台市青年文化センター) 交流ホール
問:HAL PLANNING 022-262-1682

2020.4/21(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 
https://www.operacity.jp

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