マリインスキー歌劇場の名歌手たちによる名作オペラへの想い

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今秋の来日公演でゲルマンを演じるテノール、ミハイル・ヴェクア(11/30)は歌劇場の新進スター。明るく強い声音で人気の彼、「第1幕の雷雨の場で、ゲルマンは『僕は厳粛に誓う。リーザは僕のものになる!』と絶唱します。彼の情熱は雷鳴を超えて轟くのです」と熱く語る。一方、敵役でも紳士的な態度を崩さぬエレツキー公爵役はべテランのバリトン、ロマン・ブルデンコ(両日)。この役では何より、リーザに切々と愛を訴える第2幕の名曲が聴きものだが「あのアリアは声のテクニックがそれは難しいんです。でも、成功すれば本物のエメラルドのように輝きます!」とにこやかに伝えてきた。A.ステパニュクの壮麗かつ頭脳的な新演出と共に、彼らの美声を堪能してみたい。
文:岸 純信(オペラ研究家)
(ぶらあぼ2019年10月号より)
2019.11/30 (土)、12/1(日) 各日15:00 東京文化会館
問:ジャパンアーツぴあ0570-00-1212
https://www.japanarts.co.jp/tf2019/
※チャイコフスキー・フェスティヴァル2019の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。