第24回宮崎国際音楽祭の発表記者会見が2月7日に都内で行われ、4月28日から5月19日にかけて開催される今年のラインナップが発表された。
まず総監督の佐藤寿美が、「今年は期間中に元号が変わるので、昭和と平成生まれの双方が彩る音楽祭にしたい。それゆえピンカス・ズーカーマン、ミッシャ・マイスキーに、ライナー・キュッヒルを加えた70歳前後の大家と、辻井伸行、三浦文彰を中心とする気鋭を組み合わせた、『世代を超えて次の時代へ』が一つの軸になる。また、来年25回目を迎える当音楽祭は聴衆の高齢化が顕著なため、純クラシック以外のお客様にも関心をもっていただく試みとして、女優の草笛光子を迎えた公演、『500円コンサートの日』の多様な公演、宮川彬良の『ポップス・オーケストラ』における20世紀アメリカ音楽の演奏、コンサート形式のオペラ《ラ・ボエーム》の公演等を行う」と、今回の趣旨や概要を述べた。
次いで音楽監督の徳永二男が、「メインプログラムの演奏会[1]は、辻井と三浦を軸とした強力メンバーの室内楽、女優の西田ひかるも参加する[2]は、日本初の海外留学演奏家・幸田姉妹の曲など『知られざる日本音楽の魅力』、[3]はズーカーマンと三浦の共演によるモーツァルトの協奏交響曲K.364&マーラーの交響曲第4番、[4]はキュッヒル、マイスキー及び娘のリリーによる公演、[5]は広上淳一指揮のプッチーニ《ラ・ボエーム》。全6回のスペシャルプログラムは、ストリート演奏会『春風に舞うリベルタンゴ』、草笛光子が出演する『Oh! My! クラシック』、7公演が続く『500円コンサートの日』、三浦と辻井のデュオ・リサイタル、ズーカーマンの『至高のアンサンブル』、『ウエストサイド物語』を中心にした『ポップス・オーケストラ in みやざき』」等々、サテライト公演、教育プログラム、関連コンサート・イベントを含めた詳細を紹介。中でも、「500円コンサートの日」と川南町での「サテライト公演」における「徳永二男とコンサートマスターズ」は、元N響の徳永と5人の在京楽団のコンマスが共演する豪華版だけに、彼自身も力が入る。
むろん全体を通して興味深い公演が目白押し。目を離せない3週間となるのは間違いない。
取材・文:柴田克彦
第24回宮崎国際音楽祭
http://mmfes.jp/2019/