11月13日、在阪4オーケストラが、次年度シーズンプログラムの発表を、大阪で初の“共同記者会見”という形により行った。大阪交響楽団からは来期より正指揮者を務める太田弦、大阪フィルハーモニー交響楽団音楽監督 尾高忠明、関西フィルハーモニー管弦楽団音楽監督 オーギュスタン・デュメイ、日本センチュリー交響楽団首席指揮者 飯森範親らが登壇し、それぞれ聴きどころについて語った。
【大阪交響楽団】
同楽団長の二宮光由より、2018年11月1日付で「公益社団法人」の認定を受けたこと、そして新星・太田弦(1994年生まれ、東京藝大指揮科卒)が19年4月1日より正指揮者に就任することが報じられた。大阪響はミュージック・アドバイザーの外山雄三のベートーヴェン「第九」(2019.5/10)とショスタコーヴィチ第15番(11/21)、本名徹次がG.カシオーリとの共演でベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番とブルックナーの交響曲第3番(20.1/17)などを披露。
【大阪フィルハーモニー交響楽団】
就任2年目の尾高は「定期4公演に加えて、昨年のベートーヴェンに続き、ブラームスのシンフォニー全曲と管弦楽曲、声楽曲に取り組む(19.5/11〜11/20)」と意欲を示し、ラインナップについて「初登場となる3人の客演指揮者が話題。C.デュトワのベルリオーズ『幻想』(5/23,5/24)、H.ホリガーの自作『エリス』とシューベルト『未完成』(9/27,9/28)、D.エッティンガーのチャイコフスキー交響曲第4番(7/18,7/19)どれも楽しみ」と語った。
【関西フィルハーモニー管弦楽団】
20年は関西フィルの創立50周年。デュメイ就任10年目となる。マエストロは「これからは、新しい世代をクラシック音楽の世界に導き共感してもらうことが重要」と述べる。「若く才能溢れるピアニスト」と推すJ.フォーネルを迎えてのショパンのピアノ協奏曲第2番とべートーヴェン「田園」の組み合わせ(9/16)、メンデルスゾーン「スコットランド」(11/29)などを自身のタクトで。さらに桂冠名誉指揮者・飯守泰次郎がメンデルスゾーンの大作「エリア」(7/12)に取り組む。21年にはヨーロッパツアーも決行する。
【日本センチュリー交響楽団】
19年に創立30周年を迎えるセンチュリー響。飯森は同楽団は演奏技術も良い状態と評価し、「シンフォニー定期演奏会で披露する、ワーグナー交響曲ホ長調とブルックナー第9番の“未完プロ”は前から温めていた企画(4/11)。友人のF.サイのチェロと管弦楽のための新作(ソロ・新倉瞳)(20.3/12)もぜひ聴いてほしい」。豊中市立文化芸術センターでの「センチュリー豊中名曲シリーズ」には鈴木秀美が登場、ベートーヴェン「運命」他を振る(19.9/21)。
最後に19年がR.シュトラウス没後70年にあたるのを記念して、4団体が“とことん リヒャルト・シュトラウス”という共通テーマを掲げ、それぞれの定期公演でのシュトラウス作品演奏の実施と、関連して第57回大阪国際フェスティバルで尾高&大阪フィルにより楽劇《サロメ》が演奏会形式で上演されることも報じられた。
大阪交響楽団
http://sym.jp/
大阪フィルハーモニー交響楽団
https://www.osaka-phil.com/
関西フィルハーモニー管弦楽団
https://kansaiphil.jp/
日本センチュリー交響楽団
http://www.century-orchestra.jp/