スカラ座でヴェルディのスコアと向き合えるなんて最高です!
ヴェルディ・イヤーのトピックの一つといえるのが、9月に行われるミラノ・スカラ座日本公演。バルバラ・フリットリやレオ・ヌッチなど錚々たるキャスティングもさることながら、大きな話題は、指揮者に新世代のマエストロ2人が起用されていることだ。《リゴレット》を振るのが、今や世界的に注目を集めるグスターボ・ドゥダメル。オペラで彼がいかなる手腕をふるうのか興味は尽きない。このインタビューは昨年末にミラノでの《リゴレット》上演直前に行ったものだ。
《リゴレット》を任されたグスターボ・ドゥダメルは、開演まであと30分となっても楽屋を出たり入ったりまったく落ち着きがない。本番までもうあまり時間がないのに何をしているのだと問えば、「時間があるから歌手のオーディションをしています」とこちらを見ずに応える。本番前、話を聞きたいと30分だけ時間をもらっていた。刻々とその時間が削られていく。
「インタビューですね、わかっています。すぐに戻りますから!」はじめてこちらを見て微笑み、また楽屋を飛び出していった。その素顔には汗が滴っている。