スカラ座でヴェルディのスコアと向き合えるなんて最高です!
スカラ座のオーケストラから自分の意図する響を引き出すことは簡単ではない。カリスマといわれてきた指揮者ながらこのオペラの殿堂に辿りつくも自分の色を出せずに去っていった例はたくさんある。要するに選ばれしものだけが描くことができる音というものがこのスカラ座にはあるのである。
ドゥダメルが登場する。心地よい緊張感がオケピットに漂っているのがよくわかる。肩の高さまでタクトを掲げると全身を使いながら僅かだけ頷くようにそれを振り下ろす。トランペットのユニゾンが薄く張られた氷のように厳かに響く。《リゴレット》。最高のキャストを伴った極上の時間がはじまるのである。
若き巨匠が挑む《リゴレット》。日本公演も成功するにちがいない。
取材・文:堂満尚樹(在・ミラノ)
(ぶらあぼ2013年4月号から)
■ミラノ・スカラ座 2013年日本公演
ヴェルディ:《ファルスタッフ》
指揮:ダニエル・ハーディング
演出:ロバート・カーセン
9月 4日(水)18:30
9月 6日(金)18:30
9月 8日(日)15:00
9月12日(木)15:00
9月14日(土)15:00
会場:東京文化会館
ヴェルディ:《リゴレット》
指揮:グスターボ・ドゥダメル
演出:ジルベール・デフロ
9月 9日(月)18:30
9月11日(水)15:00
9月13日(金)18:30
9月15日(日)13:00
会場:NHKホール
問:NBSチケットセンター03-3791-8888
ミラノ・スカラ座2013年日本公演オフィシャルサイト
http://scala2013.jp
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