2026年新春 特別企画
創立100年記念 N響メンバー スペシャル座談会 vol.2

左より:御法川雄矢さん、梶川真歩さん、飯塚歩夢さん、郷古廉さん、今井仁志さん、早川りさこさん

NHK交響楽団は今年、日本初の本格的なプロオーケストラとして活動を開始してから、創立100年を迎えます。そこで、新年最初の特別企画としてN響メンバーによる座談会を実施しました。司会を務めたのは、NHK-FMの番組『N響 夜の座談会』にレギュラー出演しているヴィオラ奏者の御法川雄矢さんとフルート奏者の梶川真歩さんのおふたり。2026年の見どころはもちろん、これまでの100年、そしてこれからの100年など、和気あいあい、たっぷりお話しいただきました♪

協力:NHK交響楽団
写真:有田周平


座談会参加者:
御法川雄矢さん(ヴィオラ)司会
梶川真歩さん(フルート)司会
郷古廉さん(ヴァイオリン/第1コンサートマスター)
飯塚歩夢さん(第1ヴァイオリン)
今井仁志さん(ホルン/首席)
早川りさこさん(ハープ)


「100年」を彩る特別公演が目白押し!
N響メンバー注目プログラムは?

御法川 今年は100年を飾る特別企画がたくさんあります!

梶川 皆さんが注目しているプログラムは何でしょう?

飯塚 僕はブラームスの交響曲全曲(巨匠たちによるブラームス交響曲全曲演奏)を、めちゃくちゃ楽しみにしてます。ぶっちぎりでこれが一番楽しみですね。指揮が今年99歳のブロムシュテットと86歳のエッシェンバッハっていうのも……それこそN響と同じくらい前に生まれた人たちと演奏できるのは、やっぱりすごい。

梶川 本当に指揮者が豪華ですよね。ベートーヴェン全曲(ベートーヴェン交響曲全曲演奏)もありますし。

御法川 指揮はファビオ・ルイージ(1番&3番)、クリストフ・エッシェンバッハ(8番&5番)、トゥガン・ソヒエフ(2番&6番)、シャルル・デュトワ(4番&7番)、マレク・ヤノフスキ(9番)と、これまたすごい顔ぶれ。

今井 ベト7は昔、デュトワさんとかなり演奏しましたよね。デュトワといえばやはりフランスものですから、ベートーヴェンへのアプローチは他の巨匠とは違う印象でしたね。今回はどうでしょう。

御法川 そして、怖い怖いヤノフスキ先生(笑)の第九。

飯塚 「東京・春・音楽祭 2026」でのシェーンベルクの《グレの歌》もヤノフスキ指揮ですね。
※この公演も、「N響100年」特別企画の一つ

御法川 りさこさんはどうですか?

早川 私はルイージさんの《トスカ》(演奏会形式)かな。

今井 あぁ楽しみですね。イタリア人指揮者によるイタリア・オペラですし。

梶川 本領発揮。

郷古 N響でオペラを指揮するのは、これが初めてとは。ようやくですね。

早川りさこさん

御法川 さて、今井さんはどうですか?

今井 パッと見ると、やっぱり「復活」かな(創立100年記念 マーラー《交響曲第2番「復活」》)。もう何回もやっていますけど、特別な感じがして……。

郷古 マーラー大好き、ルイージ。

今井 去年は第3番、4番を演奏しましたね。

郷古 第2000回定期(2023年)では8番(一千人の交響曲)でしたね。ファン投票で決まって。

御法川 来シーズンには9番もあります(2027年1月Aプログラム)。節目節目にマーラーを取り上げてますね。

飯塚 トゥガン・ソヒエフ指揮ですが、1月に6番があって(Aプログラム)。

郷古 4月にルイージ指揮で5番もありますね(Bプログラム)。

今井仁志さん

定期公演もスペシャル

御法川雄矢さん

御法川 2、4、5月の定期は「邦人作曲家シリーズ」と題した特別プログラムになっています。N響ともゆかりの深い邦人作曲家を特集、今までの定期であまりないラインナップじゃないかなと思うんですが。

飯塚 山田一雄さんって、あの「指揮台から客席に落ちた」というエピソードで有名な……。

御法川 客席からしか拝見したことはなかったですが、情熱的な方だったようですね。

梶川 ヤマカズ(山田一雄)さんの曲を、ヤマカズ(山田和樹)さんが振るんですね(5月Bプログラム)。

一同 ほんとだ(笑)

N響スタッフ これは2月に演奏する近衛秀麿版の「展覧会の絵」のスコアです。ラヴェル編曲版を近衛さんがさらにアレンジしたようで(ムソルグスキーの原曲はピアノ独奏)。ラヴェルっぽいところはあるのですが、出だしが全然違うのと、最後の「キエフの大門」ではオケ中ピアノが盛大に鳴ります。

早川 最初、クラリネットとファゴットと弦楽器から始まるの、新鮮!

今井 面白いですね。伊福部昭さんが戦時中に書いた「交響譚詩」もあります(4月Cプログラム)。

飯塚 伊福部さんって、作曲は独学なんですか。

御法川 そうそう。北海道の音更町出身で、北海道帝国大学卒業後、地方林務官として働いていたみたい。

飯塚歩夢さん

郷古 僕はフランツ・シュミットの「七つの封印の書」がすごく楽しみです。これも定期での特別企画(9月Aプログラム)。今シーズンのオープニングでシュミットの交響曲第4番を取り上げたでしょう?(2025年9月Aプログラム)インターネット上では「来年は『七つの封印の書』をやってほしい」という声がたくさんあがっていて。ルイージもシュミットのことを愛しているし、ずっとやりたかった曲なんだろうな。シーズンのオープニングにはもってこいですよね。

N響スタッフ この曲は、今回N響で初めてです。『ヨハネの黙示録』に基づいて作られたこの曲について、ルイージさんは「戦争や飢餓、病などが描かれていて、今の世の中を映しているような曲。この危機の時代に取り組むことにとても意味があると思う」とコメントしています。

郷古廉さん

御法川 4月には久々にシンガポール公演もあります(日本・シンガポール外交関係樹立60周年 シンガポール公演)。

梶川 以前「Music Tomorrow」でご一緒した杉山洋一さんと、ミロスラフ・スルンカへの新曲委嘱もありますね(7月&12月、「N響100年記念曲」 の新作委嘱、初演)。杉山さんのリハーサルは素晴らしく、演奏の質が上がります。

飯塚 2023年にその杉山さんの指揮で、スルンカを演奏しましたね。ご本人もリハーサルに立ち会って。

郷古 「スーパーオーガニズム」。世界初演でした。

御法川 ポケモンとは、これまでもスペシャルコンサート、ミニコンサートでコラボレーションしたことがありますね。みんなでポケモンTシャツを着て。今回は全国4か所のツアーですか!(8月、N響×ポケモン クラシックコンサートツアー)

N響スタッフ 東京、京都、大阪、福岡を回ります。ポケモンの曲とクラシックの曲を融合させた感じで企画中ですので、乞うご期待。

梶川 ゲームはもう日本から世界に発信する新たな文化と言っていいですね。各会場、盛り上がりそうです。

梶川真歩さん

御法川 N響といえば、メインテーマをほぼ担っているNHK「大河ドラマ」ですが、3月の「N響大河ドラマ&名曲コンサート<特別編>」は、男声合唱、オンド・マルトノ、和楽器なども入ってかなり豪華。大河ドラマのコンサートは人気で、チケットもすぐに売れてしまうようです。

こうしてプログラムを見てみると、N響のこれまでの100年、そして今後の100年への想いを、演奏を通じてお客さまに伝えていきたいですね。

梶川 『ぶらあぼ』をご覧の皆さんにも、たくさんコンサートにいらしていただきたいです。

御法川 「ブラボー!」をいただけるように演奏しましょう!(笑)

一同 ぜひ会場でお会いしましょう!

番組情報
『N響 夜の座談会』

NHK-FMで不定期に放送。
この番組はトーク番組です!!! いつもは音楽を奏でる音楽集団NHK交響楽団のメンバーが楽しいトークを繰り広げます。 司会もゲストもN響メンバー!名演の裏側や深すぎる趣味の世界をとことん語りつくす座談会番組! 司会・コーナー案は、N響の「みのさん」ことビオラ奏者の御法川雄矢。オーケストラのとりまとめ役、インスペクターを務めるみのさんの顔の広さを生かし、客席からはわからないN響メンバーの素顔にぐいぐい迫ります!そして、可憐なるフルート奏者「マホさん」こと梶川真歩も管楽器代表としていっしょに番組を盛り上げます!
番組ホームページnhk.jp/nkyo-zadan