開館5周年!大阪・枚方市が誇る文化拠点にトップアーティストが続々登場!2、3月の注目公演をご紹介

枚方市総合文化芸術センター

 2026年に開館5周年を迎えた大阪の枚方市総合文化芸術センターは、大阪駅より約30分の京阪本線枚方市駅から徒歩約5分と駅近でありながら、緑に包まれた広場の中央にゆったりと建っている。眩い緑の広場から一歩館内に足を踏み入れると、レンガがリズミカルに積み重なった重厚感のあるシックな空間が広がる。客席数1,468席の関西医大 大ホール、325席の関西医大 小ホール、200席のひらしんイベントホールを有し、いずれもエントランス同様内装壁面にレンガを採用し、豊かな響きと優れた遮音性を備えている。大阪を代表する老舗オーケストラ、大阪フィルハーモニー交響楽団は枚方市と連携協定を結び、定期的に地域に根差した活動を行っており、この大ホールも演奏会場としてよく使用されている。市民の希望に応えるため、主催公演のジャンルは音楽全般からバレエ、ミュージカル、演劇、古典芸能、子ども向け公演まで幅広く行っている。今回は26年2月から3月に大ホールで開催されるクラシックのオススメ公演を4つ紹介したい。

 一つ目は、「三浦文彰×清水和音 デュオ・リサイタル」(2/11)。ハノーファー国際ヴァイオリンコンクールに史上最年少で優勝、卓越した技術で世界の名門オーケストラとも共演し、最近では指揮者としての活躍も目覚ましい若き俊英・三浦文彰と、高度なテクニックと圧倒的な表現力でピアノ界に君臨する巨匠・清水和音。人気と実力を併せ持つ二人が世代を超えた信頼関係で結ばれ、夢のデュオを聴かせてくれる。演奏するのはオール・シューベルト・プログラム。古典的な佇まいの中に瑞々しさを湛えたヴァイオリンとピアノのためのソナチネ op.137の3曲と、ヴァイオリン・ソナタ イ長調「グラン・デュオ」D574は、いずれも傑作ではあるが4曲一挙に演奏される機会は珍しい。歌心に溢れるシューベルトの音楽が、音響の素晴らしい大ホールでどのように鳴り響くか、興味は尽きない。

左:三浦文彰 (c)Masahiro Uto
右:清水和音 (c)Yuji Hori

 二つ目は、「ベルリン・フィル八重奏団」(2/21)。世界最高峰オーケストラより選ばれし8人の精鋭が枚方に集結し、奇跡のサウンドを届けてくれる。メンバーは、1stヴァイオリンに第1コンサートマスターの樫本大進、2ndヴァイオリンにロマーノ・トマシーニ、第1首席ヴィオラのアミハイ・グロス、チェロのクリストフ・イゲルブリンク*、首席コントラバスのエスコ・ライネ、首席クラリネットのヴェンツェル・フックス、首席ホルンのシュテファン・ドール、首席ファゴットのシュテファン・シュヴァイゲルトといったベルリン・フィルを代表する8人のスター奏者たちだ。結成から80年以上の歴史を誇る「ベルリン・フィル八重奏団」だが、元は8人の楽団員がシューベルトの名曲 八重奏曲 ヘ長調 D803を演奏するために集まったところから始まったそうだ。弦楽四重奏曲「ロザムンデ」や「死と乙女」と同時期に作られ、人気の面でもそれらと肩を並べる八重奏曲はもちろんメインに据えて、他の珠玉の室内楽曲と共に演奏されるので乞うご期待。

*当初予定のオラフ・マニンガーから変更

ベルリン・フィル八重奏団 (c)Lena Laine

 三つ目は、枚方市との連携協定に基づき、年に2公演が行われている「大阪フィル枚方公演」(2/28)。このシリーズは、これまでに3回出演している尾高忠明音楽監督をはじめ、現指揮者・松本宗利音、元音楽監督・大植英次ら豪華な顔ぶれが指揮を務めてきた、大阪フィルの本気度が窺えるコンサートである。2月は、尾高がドヴォルザーク交響曲第8番とブラームス交響曲第1番というメイン級のプログラム2曲を指揮する特別な公演。定期演奏会では並ぶ機会の少ない組み合わせだけに、多くのファンが足を運ぶことも予想される。チケットは早めの確保が望ましい。

左:尾高忠明 (c)Martin Richardson
右:大阪フィルハーモニー交響楽団 (c)飯島隆

 四つ目は、「宮田大(チェロ)& LEO(箏)デュオ・リサイタル」(3/20)だ。日本を代表するチェロ奏者 宮田大と、邦楽界の若き実力者 LEOがタッグを組み、2023年に日本各地で開催された公演は軒並み即完売。和と洋がハイレベルに融合する演奏は唯一無二の美しさ。今回二人は、デュオに加えソロ演奏も堪能できる贅沢なプログラムを携えてやって来る。プログラムは一部しか公開されていないが、坂本龍一の2017年のアルバムにも収録された「Andata」や、吉松隆が尺八と二十絃箏のために作曲した「双魚譜」といった“かっこいい”現代曲に加え、カザルスの「鳥の歌」、LEOが今野玲央名義で作曲した「松風」などが演奏される。宮田、LEO共に、時代やジャンルの垣根を超え、様々な楽器とコラボをしている名手だけに、どのような演奏を聴かせてくれるのか、ぜひご自身で確認いただきたい。

左:宮田大 (c)日本コロムビア
右::LEO (c)日本コロムビア

 枚方というと、どうしてもユニークな宣伝効果もあって全国区の知名度を誇る “ひらかたパーク”(通称:ひらパー)を思い浮かべる人も多いだろう。開館5周年を迎える枚方市総合文化芸術センターは、日本最高水準のホールと充実した公演ラインナップを誇る文化拠点である。 “ひらパー” 同様、他府県や近隣の市町村から足を運ぶだけの価値は十分あり、この機会にぜひ注目したいホールだ。

文:磯島浩彰

枚方市総合文化芸術センター
2-3月の注目公演


三浦文彰(ヴァイオリン)×清水和音(ピアノ) デュオ・リサイタル
2026.2/11(水・祝)15:00 関西医大 大ホール
オール・シューベルト・プログラム
ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ op.137
 第1番 ニ長調、第2番 イ短調、第3番 ト短調
ヴァイオリン・ソナタ イ長調 D574「グラン・デュオ」

ベルリン・フィル八重奏団
2026.2/21(土)14:00 関西医大 大ホール

樫本大進(第1ヴァイオリン)
ロマーノ・トマシーニ(第2ヴァイオリン)
アミハイ・グロス(ヴィオラ)
クリストフ・イゲルブリンク(チェロ)*
エスコ・ライネ(コントラバス)
ヴェンツェル・フックス(クラリネット)
シュテファン・ドール(ホルン)
シュテファン・シュヴァイゲルト(ファゴット)
*当初予定のオラフ・マニンガーから変更
プログラム
ドヴォルザーク:5つのバガテル op.47(八重奏版)
フーゴ・カウン:八重奏曲 ヘ長調 op.34
シューベルト:八重奏曲 ヘ長調 op.166, D803

大阪フィルハーモニー交響楽団 枚方公演
2026.2/28(土)15:00 関西医大 大ホール

指揮:尾高忠明
プログラム
ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 op.88
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68

宮田大(チェロ)& LEO(箏)デュオ・リサイタル
2026.3/20(金・祝)14:00 関西医大 大ホール
プログラム

坂本龍一:Andata
吉松隆:双魚譜
カザルス:鳥の歌
今野玲央:松風 他

問:枚方市総合文化芸術センター本館072-845-4910
https://hirakata-arts.jp