近代フランス“名管弦楽曲”もお手のもの
既成概念にとらわれぬ自在な発想で、チェンバロやリコーダー、ガンバなどのピリオド楽器とフルートやヴァイオリンほかのモダン楽器、その両方を駆使し、管弦楽などの様々な作品を“再創造”するアンサンブル『音楽三昧』。今回はラヴェル、ドビュッシー、フォーレとフランス近代の名品を取り上げる。
1984年に結成、チェロの田崎瑞博が編曲を担当し、これまでにバッハの鍵盤作品からショスタコーヴィチの交響曲まで、様々な時代・国の作品へ新しい響きを纏わせ、聴衆を驚かせてきた『音楽三昧』。中でも、“オーケストラの魔術師”ことラヴェルの作品群は、彼らが最も得意なレパートリーとしてきたものだ。
今回は、そんなラヴェルの超有名曲「ボレロ」と「道化師の朝の歌」を大枠に。メーテルリンクの戯曲に基づき、豊かな旋律美と繊細な表現で彩ったフォーレの「ペレアスとメリザンド」を。そして、若きドビュッシーが楽壇へ激震をもたらした「牧神の午後への前奏曲」と、50歳を越えて授かった愛娘に贈った「子供の領分」、“好対照”な2曲を取り上げる。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2018年5月号より)
2018.5/30(水)19:00、6/3(日)14:30 近江楽堂(東京オペラシティ3F)
問:ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977
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