年明けにはウィーンの香りとロッシーニのユーモアを
お正月の風物詩といってもよいだろう。2018年もウィーン・リング・アンサンブルが来日し、ニューイヤー・コンサートを開く。ウィーン・フィルの首席奏者たちを中心とした9人のアンサンブルは、まさにプチ・ウィーン・フィル。ウィーンでのニューイヤー・コンサートの直後に来日してくれるのだから、なんともぜいたくなことである。プログラムの中心となるのは、もちろん、シュトラウス・ファミリーによるウィンナ・ワルツやポルカ。本場ウィーンの香りを日本に届けてくれる。加えて、没後150年記念となるロッシーニ・メドレーも演奏される。なるほど、ロッシーニはウィーンに大旋風を巻き起こした作曲家であるのだから、彼らが演奏しても不思議はない。
アンサンブルを率いるのは元ウィーン・フィル・コンサートマスターのライナー・キュッヒル。長年にわたって務めたウィーン・フィルを退職後、このアンサンブルとしては初来日ということになる。といってもNHK交響楽団のゲスト・コンサートマスターとしても活躍するキュッヒルだけに、日本の聴衆にとってはますますなじみ深い存在となっているのではないだろうか。ホルンのヴォルフガング・トムベック、フルートのカール=ハインツ・シュッツ、クラリネットのペーター・シュミードル、チェロのロベルト・ナジ他の腕利きたちとともに、親密で味わい深いアンサンブルを披露してくれることだろう。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2017年12月号から)
2018.1/6(土)14:00 サントリーホール
問:カジモト・イープラス0570-06-9960
http://www.kajimotomusic.com/