新春のコンサートホールで名曲を存分に満喫
新春恒例となった、1月3日のニューイヤーコンサート。東京文化会館《響の森》シリーズの一環として、年明け早々に本格的なクラシックコンサートを東京都交響楽団の演奏で聴かせてくれる、毎年大好評の公演である。2018年は指揮者・藤岡幸夫とヴァイオリニスト・神尾真由子が登場。J.シュトラウスⅡのワルツ「南国のバラ」、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、ムソルグスキー(ラヴェル編曲)の「展覧会の絵」と、楽しさ抜群の人気名作を取り上げる。
藤岡は現在、関西フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務める一方、テレビのレギュラー番組でも司会と指揮を担当するなどメディア出演にも積極的で、クラシック音楽の魅力を様々な角度で広めることに尽力している。そんな藤岡にとって、色彩的で華やかな演目で会場を盛り上げることはお手のもの。常に真摯かつ高水準なパフォーマンスを維持する都響と共に、楽しさの中に手応えのある好演で新春を祝ってくれるはず。
10年前のチャイコフスキー国際コンクール優勝以来の、神尾の世界的な活躍は周知の通り。協奏曲のソリストやリサイタルのほか、近年は室内楽にも積極的で、活動の幅が広がり続ける神尾だが、その活躍の原点となるチャイコフスキーはやはり聴きものであり、熱い名演を期待したい。
年明けから歴史ある東京文化会館の空気を感じ、すてきな演奏を味わう。華やぎと共に、明日への活力が生まれてくるに違いない。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2017年12月号から)
2018.1/3(水)15:00 東京文化会館
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
http://www.t-bunka.jp/