最先端を行く4人のパリジェンヌが初来日
フランスから新しい風が吹く。2011年にパリ国立高等音楽院在学中だった4人のパリジェンヌにより結成されたアキロン・クァルテット。新進の団体ながら、16年の第8回ボルドー国際弦楽四重奏コンクールで満場一致のグランプリに輝き、旋風を起こした。難関として知られる同コンクールでの色彩豊かな演奏が称賛され、今年は室内楽の殿堂、ロンドンのウィグモア・ホール出演をはじめ、日本とヨーロッパ各地のツアーをおこなう。最先端の四重奏団を、第一生命ホールでいち早く体験できるのである。
演目は、ドビュッシーの傑作にデュティユーの「夜はかくの如し」と、名刺代わりのフランス作品から新旧2作が軸に。そこに組み合わせられるのがモーツァルトの第5番・第6番という意外な選択で、神童10代の2作をどう聴かせるのかも興味深い。
「アキロン」とは、天と地を結ぶ「凧」を意味するイタリア語から取られた名前とのこと。その名の通り、新しい才能が風に乗って飛翔していく様を見届けたい。
文:林 昌英
(ぶらあぼ 2017年5月号から)
6/4(日)14:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
http://www.triton-arts.net/