
ニューヨークのカーネギーホールは、新たな世代の育成など、社会貢献活動にも力を注いでいる。その中心的な取り組みが、毎年夏に結成されるナショナル・ユースオーケストラUSA(NYO-USA)だ。全米から選抜された16〜19歳の優秀な若者が、一流のプロ・オーケストラの楽団員から数週間にわたる指導を無償で受け、カーネギーホールでのコンサートと海外でのツアーを行なうものである。
2013年の開始以来、約1500人の若い音楽家が参加、100人以上の卒業生がアメリカや世界各地のプロのオーケストラ、アンサンブルに入団している。医学、法律、テクノロジーなど、音楽以外の分野で活躍する人材も多いという。

右:レイ・チェン ©Decca Records 2024
カーネギーホールはサントリーホールと長年パートナーシップを結んでおり、今回のNYO-USAの来日はそのパートナーシップに基づいている。総支配人兼芸術監督のクライブ・ギリンソンは「サントリーホールでの公演は特別な意味を持つでしょう。私たちは共に最高の音楽を心から讃え、音楽が人々の人生に意味のある変化をもたらすことに尽力してきた間柄だからです」と期待を寄せる。
指揮者は、ワシントン・ナショナル交響楽団の音楽監督をつとめ、NHK交響楽団への客演でもおなじみのジャナンドレア・ノセダ。曲目は、レイ・チェンと共演するメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲と、ラフマニノフの交響曲第2番など。欧米の優れたユースオーケストラを日本で聴ける機会は少ないだけに、若い覇気に満ちた演奏と雰囲気を、ぜひ味わってほしい。
ジャナンドレア・ノセダ(指揮) ナショナル・ユースオーケストラUSA
2025.7/26(土)17:00 サントリーホール
問:サントリーホールチケットセンター0570-55-0017
suntoryhall.pia.jp