
上野水香 Photo:Shitomichi Ito/柄本弾 Photo:Nobuhiko Hikiji
東京バレエ団初演は2009年9月。その舞台をマカロワは絶賛した。特に第2幕「影の王国」における優美に揃ったコール・ド・バレエ(群舞)に称賛を惜しまなかったという。
11年4月、東日本大震災発生の直後に行った再演では、ソロル役にイーゴリ・ゼレンスキー、マシュー・ゴールディングが急きょ来日し、心のこもった演技を披露した。12年8月に「世界バレエフェスティバル」全幕特別プロとして上演された際には、ディアナ・ヴィシニョーワ&マルセロ・ゴメス、アリーナ・コジョカル&ヨハン・コボーの競演が話題を呼んだ。昨年8月の創立50周年記念ガラでも「影の王国」を抜粋上演するなど、東京バレエ団の新たな十八番といえる。
今回も主役陣が豪華。役柄を広げ進化する女王コジョカル&マリインスキー・バレエの貴公子ウラジーミル・シクリャローフの共演に胸躍る。絶頂期にある看板プリマ上野水香&風格の出てきたホープ柄本弾という華のあるコンビも楽しみだ。ガムザッティ役を踊る奈良春夏、川島麻実子ら気鋭ソリスト、定評あるアンサンブルの活躍にも注目したい。
文:高橋森彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年4月号から)

6/11(木)〜6/13(土) 東京文化会館
問:NBSチケットセンター03-3791-8888
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