東京バレエ団『ラ・バヤデール』

左より:アリーナ・コジョカル Photo:Charlotte McMillan/ウラジーミル・シクリャローフ/ 上野水香 Photo:Shitomichi Ito/柄本弾 Photo:Nobuhiko Hikiji

左より:アリーナ・コジョカル Photo:Charlotte McMillan/ウラジーミル・シクリャローフ/
上野水香 Photo:Shitomichi Ito/柄本弾 Photo:Nobuhiko Hikiji

 創立50周年シリーズを華々しく繰り広げた東京バレエ団が余勢をかって挑むのがナタリア・マカロワ振付・演出『ラ・バヤデール』全3幕。往年の名花マカロワがロシア・バレエの名作を練り上げ決定版の誉れ高いバージョンだ。古代インドを舞台に寺院の巫女ニキヤ、戦士ソロル、王女ガムザッティらによる愛憎劇が展開される本作は、起伏に富んだ物語とエキゾチックなキャラクター・ダンスや様式美に貫かれた女性群舞が溶けあい濃密なドラマを生む。舞台装置・衣裳も重厚で比類なく素晴らしく、壮麗なスペクタクルとして魅力的だ。
 東京バレエ団初演は2009年9月。その舞台をマカロワは絶賛した。特に第2幕「影の王国」における優美に揃ったコール・ド・バレエ(群舞)に称賛を惜しまなかったという。
 11年4月、東日本大震災発生の直後に行った再演では、ソロル役にイーゴリ・ゼレンスキー、マシュー・ゴールディングが急きょ来日し、心のこもった演技を披露した。12年8月に「世界バレエフェスティバル」全幕特別プロとして上演された際には、ディアナ・ヴィシニョーワ&マルセロ・ゴメス、アリーナ・コジョカル&ヨハン・コボーの競演が話題を呼んだ。昨年8月の創立50周年記念ガラでも「影の王国」を抜粋上演するなど、東京バレエ団の新たな十八番といえる。
 今回も主役陣が豪華。役柄を広げ進化する女王コジョカル&マリインスキー・バレエの貴公子ウラジーミル・シクリャローフの共演に胸躍る。絶頂期にある看板プリマ上野水香&風格の出てきたホープ柄本弾という華のあるコンビも楽しみだ。ガムザッティ役を踊る奈良春夏、川島麻実子ら気鋭ソリスト、定評あるアンサンブルの活躍にも注目したい。
文:高橋森彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年4月号から)
Photo:Kiyonori Hasegawa

Photo:Kiyonori Hasegawa

6/11(木)〜6/13(土) 東京文化会館 
問:NBSチケットセンター03-3791-8888 
http://www.nbs.or.jp 
http://www.thetokyoballet.com