鬼才ジョヴァンニ・ソッリマによる超絶プロジェクト「100チェロ・コンサート」が大阪・堺に初上陸

2019年の公演より ©石田昌隆

 ジョヴァンニ・ソッリマの「100チェロ」がフェニーチェ堺にやってくる。「100チェロ」とはその名の通り、100人ものチェリストが舞台上に集結するという他に例のないプロジェクト。プロ、アマ、国籍、ジャンル、年齢などの一切を問わずに集まった奏者たちが、音楽でひとつになる場として始まった。チェリストとして卓越した演奏を聴かせるソッリマだが、彼は単なる演奏者ではない。人々にインスピレーションを与える稀有な音楽家なのだ。

 「100チェロ」のアイディアが生まれたのは2012年、ローマにて。18世紀に建てられた由緒あるヴァッレ劇場が閉鎖されることに反対して、劇場を守るべくソッリマは友人のチェリスト、エンリコ・メロッツィとともにこのプロジェクトを立ち上げた。ヴァッレ劇場にはヨーロッパ各地から多くのアーティストが集まって復活を遂げたが、「100チェロ」はこの劇場に留まることなく、世界各地へと広がった。

 日本では2019年にすみだトリフォニーホールで「100チェロ」が初開催された。その際は100人どころか129人ものチェリストたちが集まって、コンサートホールの空間が異様な熱気で包まれたが、今回の堺公演にはなんと160人以上が参加するという。ソッリマは猛烈なテンションで文字通り飛んだり跳ねたりしながらメンバーを鼓舞する。予定曲目にはバッハもあればピンク・フロイドもあって、まったく自由だ。かつて経験したことのない驚くべきステージが待っている。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2025年3月号より)

ジョヴァンニ・ソッリマ & エンリコ・メロッツィ
100チェロ・コンサート「チェロよ、歌え!」
2025.3/30(日)15:00 フェニーチェ堺
問:フェニーチェ堺072-223-1000 
https://www.fenice-sacay.jp