カタリーナ・ヴィンツォー(指揮) 読売日本交響楽団

オーストリアの新鋭が紡ぐ活気に満ちたドヴォルザーク

左より:カタリーナ・ヴィンツォー ©Andrej Grilc/マチュー・デュフォー ©ヤマハ株式会社/景山梨乃 ©読響

 才能を開花させつつある若い指揮者が、また日本デビューを果たす。カタリーナ・ヴィンツォーは、1995年生まれのオーストリア人指揮者。ウィーンとチューリヒで学び、ダラス交響楽団でファビオ・ルイージの副指揮者、その後はブダペスト祝祭管弦楽団でイヴァン・フィッシャーのアシスタントも務めた。彼女の名前で検索すると、これまで共演した世界中のオーケストラの名前がずらりと並んでいる。今回、そのなかに読響の名前も加わるというわけだ。

 彼女が読響と奏でるのは、ドヴォルザークを中心としたプログラムになる。活気にあふれた序曲「謝肉祭」。そして、魅力的なメロディにあふれた交響曲第8番だ。表情豊かな音楽作りをするヴィンツォーが、これらの曲の旋律をどう歌わせ、いかなる表現を与えていくか。その手腕が発揮されるのを楽しみに待ちたい。

 そして、その2曲のあいだには、モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲が演奏される。独奏は、シカゴ響やベルリン・フィルで首席を務め、現在はソリストとして活躍するフルート奏者マチュー・デュフォー。そして、ハープ奏者は読響メンバーが登場する。パリやベルリンで学び、ソリストとしても経験豊かな景山梨乃だ。2人が起こす化学変化、そこに若手指揮者率いる読響が加わり、色彩豊かなモーツァルトを香り立たせるのではないか。
文:鈴木淳史
(ぶらあぼ2024年7月号より)

第268回 土曜マチネーシリーズ
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