セバスティアン・ヴァイグレ(指揮) 読売日本交響楽団

シェフのタクトが鮮やかに描く「ペレアスとメリザンド」

左:セバスティアン・ヴァイグレ ©読響
右:ダン・タイ・ソン 写真提供:王子ホール

 アイスラーの「ドイツ交響曲」、R.シュトラウスの《エレクトラ》など、20世紀前半のドイツ音楽の名演が続いているセバスティアン・ヴァイグレと読売日本交響楽団がアルノルト・シェーンベルクの生誕150年を祝して、彼の初期の交響詩「ペレアスとメリザンド」を演奏する。

 シェーンベルクは、20世紀前半にウィーンで活躍した“新ウィーン楽派”のリーダー的存在。十二音技法(1オクターヴの12の音を均等に使う作曲技法)の創始者や無調音楽の作曲家として知られるが、19世紀末から20世紀初頭にかけてはロマンティックな音楽を書いていた。その代表的な例としては、「浄夜」(1902年初演)、「グレの歌」(1913年初演)、そしてこの交響詩「ペレアスとメリザンド」(1905年初演)が挙げられる。シェーンベルクは、R.シュトラウスから、メーテルリンクの戯曲『ペレアスとメリザンド』のオペラ化を勧められ(ドビュッシーのオペラ《ペレアスとメリザンド》の初演は1902年4月で、二人はその存在を知らなかったという)、1903年、交響詩として完成させた。4管編成の巨大なオーケストラを用いた40分に及ぶ大作。ヴァイグレ&読響の充実ぶりを聴くには最適の音楽の一つといえるだろう。そのほか、やはり新ウィーン楽派であるウェーベルンの初期のロマンティックな作品である「夏風の中で」、円熟味を増した名手ダン・タイ・ソンを招いて、モーツァルトのピアノ協奏曲第12番が演奏される。
文:山田治生
(ぶらあぼ2024年6月号より)

第639回 定期演奏会 
2024.6/14(金)19:00 サントリーホール
問:読響チケットセンター0570-00-4390 
https://yomikyo.or.jp