2月7日、宮崎国際音楽祭のオンライン記者懇談会が行われ、総監督の佐藤寿美、ヴァイオリニストで音楽監督を務める徳永二男らが登壇した。28回目となる今年は、4月28日から5月14日にかけてメディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)を中心に全16公演が開催される。
ここ数年は入場者数に制限を設けていたが、2023年はコロナ前と同程度の約2万人の入場者を見込んでいるという。
この音楽祭は、1996年に故・アイザック・スターンを中心に一流演奏家たちが集い、宮崎国際室内楽音楽祭としてスタート。第7回からは現在の名称に変更された。
今年のラインナップで目を惹くのは4年ぶりに登場する世界的ヴァイオリニストのピンカス・ズーカーマン。徳永は見どころについて
「『ズーカーマン 室内楽スペシャル』(5/12)ではズーカーマンさんがモーツァルトのヴァイオリン・ソナタを演奏するほか、ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲はヴィオラに持ち替えて三浦文彰さんと共演します。また、宮崎国際音楽祭管弦楽団を指揮し、チャイコフスキーの交響曲第4番を披露する『チャイコフスキーは哀しみを超える』(5/13)にも出演します」
とコメント。また、幼少期に指導していたという三浦にも期待を込める。
「三浦さんは自身の企画で、会場のお客様がリクエストした曲を演奏する『リクエスト・コンサート』(4/28)にも出演し、新しい試みにチャレンジします。私は彼が幼いころから関わっていますが、今では彼のファンであり、音楽祭になくてはならない存在に成長してくれました」
諏訪内晶子がバッハの無伴奏パルティータや国内屈指のメンバーとチャイコフスキー、ブラームスの弦楽六重奏曲を弾く「諏訪内晶子 室内楽スペシャル」(5/6)では、諏訪内が弾くグァルネリ・デルジェスの名器「チャールズ・リード」の音色にも注目。ウィーン・フィルのコンサートマスターを40年にわたって務めたライナー・キュッヒルは、「ウィーン、わが夢の街」(5/10)で得意のワルツやポルカを音楽祭メンバーと奏でるなど、弦楽器奏者を中心に豪華アーティストが名を連ねる。
そのほか、料理愛好家の平野レミが料理にまつわるトークと、こだわりの音楽を紹介するコンサート「Oh! My! クラシック」(5/5)や野平一郎が監修・指揮を務め、ハリウッドを中心に銀幕の世界を彩った音楽家たちをひも解く「『スクリーンの向こう側』~クラシックから映画音楽への道」(4/30)、全7公演がそれぞれワンコインで楽しめる「500円コンサートの日」(5/3)などバラエティ豊かなプログラムが用意されている。
「わたしの音に出会う旅」がテーマの今年の宮崎国際音楽祭。春の宮崎で豪華アーティストたちが待っている。
第28回 宮崎国際音楽祭
http://www.mmfes.jp/2023