ソフィア・ブルゴス(ソプラノ) オール・モーツァルト・ガラ・コンサート

世界中の巨匠が注目する大器、待望の日本デビュー

 どのジャンルでもそうだが、オペラ歌手も百花繚乱の時代。歌も上手ければビジュアルも際立つ歌手が目白押しだ。それ以上の何かを「持って」いなければ、抜きん出ることは難しい。

 プエルトリコ系アメリカ人ソプラノのソフィア・ブルゴスは、「持っている」と思わせる磁力を放つ歌い手だ。甘く、色合い豊かで、めくるめくように押し寄せる声には蕩けるし、テクニックも万全。艶やかで野性的な容貌も魅力的だ。加えて彼女の活動は、とても知的でチャレンジングなのだ。バロックから現代ものまで歌いこなすが、とりわけ現代作品の初演には引っ張りだこで、今最も注目される指揮者であるテオドール・クルレンツィスと現代作品でしばしば共演。驚異的なテクニックを駆使して「声」の可能性を開拓している。国際舞台に登場して間もないのに、サイモン・ラトル、ウラディーミル・ユロフスキー、ジョン・エリオット・ガーディナーら、そうそうたる指揮者から声がかかるのも納得がいく。

 この度の日本デビューでは、「モーツァルト・ガラ」と題し、モーツァルトのオペラと歌曲の名曲がプログラミングされている。モーツァルトはブルゴスの十八番で、最近もモネ劇場やオランダ国立歌劇場で《フィガロの結婚》のスザンナや《コジ・ファン・トゥッテ》のデスピーナを歌って絶賛された。モーツァルトは、歌手としての力量が最も試される作曲家。注目の大器の日本デビューに、これ以上うってつけの作品はない。
文:加藤浩子
(ぶらあぼ2022年12月号より)

2022.11/27(日)14:00 広島/三次市民ホールきりり
12/3(土)14:30 京都/福知山サンホテル 扇ホール
12/6(火)19:00 武蔵野市民文化会館
問:MCSヤング・アーティスツ mticket@mcsya.org 
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