ラトヴィア放送合唱団

世界最高峰の合唱団がやってくる!

Photo:Matiss Markovskis

 合唱王国ラトヴィアのトップ合唱団が初来日。ラトヴィア人にとって合唱は身近かつ大きな存在だ。1873年から5年に1度開かれている国家行事「歌と踊りの祭典」は、1990年の東欧革命でも大きな役割を果たし、バルト三国の同様の行事のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録された。言ってみれば日本の「和食」にあたるのが「合唱」というお国柄。当然水準は高い。その頂点が1940年創設の「ラトヴィア放送合唱団」だ。男女12人ずつ24人からなるプロ室内合唱団で、高度な声楽技術に裏付けされたハーモニーの純正さを保ったうえで、ときに大胆にその魂を歌い上げるようなスタイルは感動的。日本の多くの合唱ファンにも熱狂的に受け入れられるはずだ。
 すみだトリフォニー公演のメインはラフマニノフの宗教合唱曲の金字塔《徹夜祷(晩祷)》。約1時間を要する大作で、しかもやや馴染みのないロシア正教のための音楽ということもあってか、高まってきた知名度のわりに日本での演奏機会はまだ多くない。しかし、その神聖な静謐さを湛えた芳醇なハーモニーの魅力は、もっと多くの人が愛して然るべき。他にフィリップ・グラスが1982年のアメリカ映画『コヤニスカッティ』(映画というよりは実験的なメッセージ映像)のために書いた音楽や、エストニアのアルヴォ・ペルトがキリスト教の信仰宣言「クレド」を歌詞に書いた「スンマ」(1977)を歌う。合唱の美しさ、凄さに理屈抜きで身を委ねてほしい。
文:宮本 明
(ぶらあぼ 2017年4月号から)

5/22(月)19:00 すみだトリフォニーホール
問:トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212
http://www.triphony.com/