ラフマニノフ生誕140年+1 記念音楽祭 日本・ロシア音楽家協会 創立30周年記念

知られざるラフマニノフの世界

 “140年+1”とあるように、昨年生誕140年(同時に没後70年)だったラフマニノフを記念する、ワン・デー音楽祭。1年遅れで開催されるわけではなく、主催する日本・ロシア音楽家協会の創立30周年を記念したイベントだ。
 日本・ロシア音楽家協会は、1984年に「日ソ音楽家協会」の名で、当時のソ連作曲家同盟議長のティホン・フレンニコフと作曲家・芥川也寸志の親交をもとに、両国の音楽作品の交換演奏を中心とする音楽文化交流を目的として発足した。創立記念演奏会には、まだ新人だったワレリー・ゲルギエフが指揮者として来日している。同協会はロシアに関係する演奏家や音楽学者、作曲家から構成され、毎年行なわれるコンサートでは、ロシアの作品と日本人作曲家の作品が並べて演奏されるのが通例。それは今回も同様で、ラフマニノフ作品とともに、彼の作品にちなんだ日本人作曲家の新作2曲が初演される。公演の監修は桐朋学園大学名誉教授であり、日本・ロシア音楽家協会運営委員の寺西昭子が務める。
 演奏されるのは、室内楽(三重奏曲とチェロ曲、ヴァイオリン曲)、ピアノ連弾(2台ピアノと4手連弾)、声楽(オペラ・アリアと歌曲)の3ジャンル。出演は、[ピアノ]岩崎淑、太田由美子、岡田敦子、川智子、木曽真奈美、佐藤勝重、志村泉、田中正也、松山元、松山優香、村上弦一郎、矢澤一彦 [ヴァイオリン]大谷康子、佐藤まどか [チェロ]安田謙一郎、岩崎洸 [声楽]小濱妙美(ソプラノ)、岸本力(バス)、小原伸一(バス・バリトン)[作曲]二宮毅 [作曲・ピアノ]遠藤雅夫。
 15時半から夜までの長丁場。ラフマニノフの芳醇をたっぷり味わいたい。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2014年4月号から)

★4月20日(日)・渋谷区文化総合センター大和田さくらホール
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