ソリストとしての若き名手の魅力が満載
満を持して登場!…というよりも、まだ出演していなかったことに驚きの方も多いかもしれない。大阪フィルの元コンサート・マスターで、現在はフリーで幅広く活躍。昨年はサイトウ・キネン・オーケストラのコンサート・マスターも務めた若き名手・長原幸太が『B→C』の舞台に立つ。
前半はJ.S.バッハの無伴奏パルティータ第3番、この作品に触発されて書かれたイザイの無伴奏ソナタ第2番、不動明王の前で唱える真言のリズムを題材とした松下功「マントラ」、の無伴奏作品3曲。数々のコンクールで最年少優勝を重ねてきた長原が、無駄や過剰が一切ない“これぞ無伴奏”を聴かせてくれるはずだ。
後半は、恩師・國谷尊之のピアノとともに、J.S.バッハの「ソナタBWV1021」で幕開け。豊田耕兒「パンセⅡ」、ストラヴィンスキー「イタリア組曲」と続く。3年近くにわたって温め続け、今回が念願の初披露となる豊田作品。昨年のデビューCDにも収録されたストラヴィンスキーの更なる新境地など、どの作品にも期待が募る。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ2014年4月号から)
★4月15日(火)・東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999
http://www.operacity.jp