【CD】フィール・ザ・サンライト/高口かれん

 高口かれんは、国立音大からベルギー王立アントワープ音楽院に学び、国際的に活躍する気鋭のマリンビスト。初のソロ・アルバムには、共演する植川縁(アルトサクソフォン)と共同委嘱したゴリンスキー「シェード」をはじめ現代の4作品に、バッハの無伴奏ヴァイオリン作品の編曲を挟み込んだ。時に繊細に、時に大胆に。変幻自在なマレット遣いで具に掬い取られる、作品ごとの色彩の違い。また、バッハでは、重音の処理など、発音形態の違いから、ヴァイオリンでは不可能な表現法にもあえて踏み込み、新鮮な驚きを現出。誰も体験したことのない、響きの宇宙へ聴く者を誘う。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2020年7月号より)

【information】
CD『フィール・ザ・サンライト/高口かれん』

ルードヴィッヒ・アルベルト:フィール・ザ・サンライト/アンナ・イグナトヴィチ:トッカータ/トマーシュ・ゴリンスキー:シェード/J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番/安倍圭子:プリズム・ラプソディー(ピアノ伴奏版)

高口かれん(マリンバ)
植川縁(アルトサクソフォン)
堀家徳子(ピアノ)

フォンテック
FOCD20124 ¥2700+税