ジャズから出発してクラシックへと分け入ってきたギタリストのデビュー盤。タイトルにChrono(時間)とgen(起源)というギリシャ/ラテン由来のことばで意味を持たせ、ルネサンスのフランスを皮切りにJ.S.バッハを経て、奏者自ら編曲した名スタンダード・ナンバーの「ライク・サムワン・イン・ラブ」に至る約500年を旅する壮大なコンセプトのアルバム。スペイン古典派のソルによるモーツァルト《魔笛》からパパゲーノの鈴の主題をモティーフにした変奏曲など“変わり種”が盛り込まれているのも楽しい。武満徹「フォリオス」のような調性的に難解な作品もすんなり聴けてしまうのが素敵。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2026年7月号より)
【information】
CD『玄の現/山田雄太』
ル・ロワ:ギターのためのタブラチュア集 第3巻より/J.S.バッハ:プレリュード フーガ アレグロ BWV998/ソル:モーツァルト《魔笛》の主題による変奏曲/武満徹:フォリオス/ジミー・ヴァン・ヒューゼン(山田雄太編):ライク・サムワン・イン・ラブ 他
山田雄太(ギター)
コジマ録音
ALM-7328 ¥3300(税込)


