札幌交響楽団と首席指揮者グランディによるウィーン・プログラム。ベートーヴェン「田園」は、冒頭楽章から弦の響きが美しい。リズムが生き生きと躍動する。実に爽やかだ。緩徐楽章も柔らかな音色でたっぷりと歌う。木管のソロも巧い。スケルツォは速めのテンポで快活な踊りが楽しめる。嵐のトゥッティの頂点の爆発は恐ろしいほど。それだけに、しなやかに歌われる終楽章の感謝の祈りが、しみじみと伝わってくる。J.シュトラウスII世の「春の声」とアデーレのアリアを歌う中江早希は、コロラトゥーラも巧く、きれいに高音が伸びる。他の曲でもシュトラウスの華麗な響きを存分に味わえる。
文:横原千史
(ぶらあぼ2026年8月号より)
【information】
CD『ベートーヴェン&J.シュトラウスII -エリアスとウィーンへ/エリアス・グランディ&札響』
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」/J.シュトラウスII世:ワルツ「南国のばら」、喜歌劇《こうもり》より〈侯爵様 あなたのようなお方には〉、ワルツ「春の声」、トリッチ・トラッチ・ポルカ、ワルツ「美しく青きドナウ」 他
エリアス・グランディ(指揮)
札幌交響楽団
中江早希(ソプラノ)
フォンテック
FOCD6052 ¥3300(税込)



