【CD】シベリウス:交響曲全集 第1番-第7番 /ユッカ=ペッカ・サラステ&ヘルシンキ・フィル

一聴して、いい音をもつオーケストラだと感心させられた。シベリウスの交響曲の第7番以外を初演し、これまでもベルグルンドやセーゲルスタムと全曲録音もあるヘルシンキ・フィル。シベリウスらしい張り詰めた輪郭を保ちつつ、その音色のじつに温かいこと。外はぱりっと中はふわふわ系。こちらもツィクルス録音は3度目となるサラステは、フレージングが丁寧で、内声部も鮮やかに浮き立たせる。ダイナミックレンジは広いが、決して威嚇的に響かせないところもいい。とりわけ第3番や第6番での繊細極まりない弦楽器の動きが、聴き手のイマジネーションをふんだんに刺激してくれよう。

文:鈴木淳史

(ぶらあぼ2026年7月号より)

【information】
CD『シベリウス:交響曲全集 第1番-第7番/ユッカ=ペッカ・サラステ&ヘルシンキ・フィル』

シベリウス:交響曲第1番~第7番

ユッカ=ペッカ・サラステ(指揮)
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

収録:2024年11月~25年12月 ヘルシンキ(ライブ) 他
ONDINE/ナクソス・ジャパン
NYCX-10600(3枚組) ¥5500(税込)


鈴木淳史 Atsufumi Suzuki

雑文家/音楽批評。1970年山形県寒河江市生まれ。著書に『クラシック悪魔の辞典』『背徳のクラシック・ガイド』『愛と幻想のクラシック』『占いの力』(以上、洋泉社) 『「電車男」は誰なのか』(中央公論新社)『チラシで楽しむクラシック』(双葉社)『クラシックは斜めに聴け!』(青弓社)ほか。共著に『村上春樹の100曲』(立東舎)などがある。
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