「近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2020」記者会見

 びわ湖ホールは4月25日と26日の2日間にわたり、3年目となる「近江の春 びわ湖クラシック音楽祭」を開催する。2月26日に記者会見が開かれ、概要が発表された。山中隆びわ湖ホール館長、沼尻竜典同芸術監督、馬淵英明同事業部長が登壇した。

左:山中 隆 右:沼尻竜典
写真提供:びわ湖ホール

 今年は生誕250年のベートーヴェンと生誕180年のチャイコフスキーにフォーカスする。テーマは、オープニングで演奏されるベートーヴェンの歌劇《フィデリオ》の四重唱から取られた〈不思議な想いが私を満たす〉。そこで歌われる音楽は「人間の心に直接作用して恋の甘酸っぱさ、苦さ、そして喜び、悲しみ、怒りを感じさせる。そんな音楽の不思議を『近江の春』でたくさん体験してください」と沼尻は語る。

 大ホールでの「オープニングコンサート」には沼尻指揮日本センチュリー交響楽団が登場、《フィデリオ》から序曲と四重唱(石橋栄実、福原寿美枝、清水徹太郎、加藤宏隆)、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(独奏:ドミトリー・シシキン)を聴かせる。同コンビがプッチーニ《ジャンニ・スキッキ》を演奏会形式で上演するのも今回の話題の一つ。沼尻は「びわ湖ならではの練習量の多さで、上質の演奏を目指す」と意気込む。青山貴、石橋栄実らが出演。そして、大植英次指揮大阪フィルハーモニー交響楽団は、ベートーヴェン「エグモント」序曲と交響曲第5番「運命」のカップリング。大植は「クロージングコンサート」にも登場し、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲(独奏:ニキータ・ボリソグレブスキー)とラヴェル「ボレロ」などで賑々しく盛り上げる。

 中ホールでは、日本に拠点を移した竹澤恭子と宮田大、田村響によるベートーヴェン「大公」トリオ、京都市交響楽団メンバーによる「京都しんふぉにえった」はテノールの山本康寛と楽しいクラシック入門プログラムを。今やこのホールの“名物”となった「びわ湖ホール四大テノール」によるオペラ・アリアにコントを交えたステージ、バリのガムラン「ギータ・クンチャナ」が出演するなどユニークな企画が並ぶ。

 小ホールの公演も一流演奏家でもりだくさん。「桐朋学園時代から30年にわたり世話になっている」(沼尻)藤原真理によるベートーヴェンのチェロ・ソナタ第3番ほか。ピアノの児玉麻里もベートーヴェンの「月光」「ワルトシュタイン」をとりあげる。「出演を頼んで3年目でようやく実現した」(沼尻)という前橋汀子は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番「春」ほかを。また、ホルンの福川伸陽の公演について、沼尻は「日本フィル時代からの付き合いで、『びわ湖リング』の《ジークフリート》でソロを吹いてもらった。今回、藤倉大さんの『うにうに』を世界初演してもらう」と期待を寄せる。この他、ピアザホール、メインロビー、野外の中高生の吹奏楽のマーチングなど、楽しい催しが目白押しで、音楽祭が待ち遠しい。
取材・文:横原千史

近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2020
https://festival.biwako-hall.or.jp/2020/

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