第68回「尾高賞」に細川俊夫

C)Kazu Ishikawa
 第68回「尾高賞」の受賞作品が、細川俊夫の「オーケストラのための『渦』」(2019)に決定した。
 「尾高賞」は、NHK交響楽団専任指揮者であった故・尾高尚忠が生前に遺した功績を讃え、1952年に同楽団によって制定された作曲賞。邦人作曲家による優れたオーケストラ作品に授与される。受賞作は、オーケストラが響きの渦を形成しながら展開していく作品で、サントリーホール、ソチ冬の芸術祭、エッセン・フィルハーモニーによる共同委嘱。昨年11月にサントリーホールで初演された。

 細川は、55年広島生まれ。日本を代表する作曲家として国際的に高い評価を得ており、2012年には紫綬褒章受章、13年には英国作曲家賞を受賞した。細川は「重要なオペラの仕事が続き、重いテーマと向き合ったため精神的に消耗し、半年休みを取った後に作曲した最初の大きな作品。自分自身の自己回復への願いと祈りを込めました。このような賞をいただき、大きな喜びです」とコメントを寄せた。

 第68回「尾高賞」の贈呈式と受賞作品の演奏は、5月4日に東京オペラシティ コンサートホールで開催される「Music Tomorrow 2020」(ロバート・スパーノ指揮 NHK交響楽団)で行われる。

NHK交響楽団
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