小林研一郎 80歳(傘寿)記念プロジェクト記者会見

 2020年4月9日に80歳を迎える指揮者、小林研一郎。彼の傘寿を記念したプロジェクトシリーズについての記者会見が、1月28日に都内で行われた。登壇したのは小林本人と小林音楽研究所代表の櫻子(ようこ)夫人。
(2020.1/28 東京都内 Photo:M.Suzuki/Tokyo MDE)

 このシリーズはVOL.1〜3で構成されており、VOL.1はハンガリー放送交響楽団との共演で、すでに昨年9月、名古屋、東京2公演が開催されている。この東京公演には上皇上皇后両陛下がご臨席された。そして、VOL.2は「チャイコフスキー交響曲全曲チクルス&ガラ・コンサート」と銘打たれ、4月7日から12日の間にサントリーホールで5公演が行われるほか、名古屋、大阪でも開催される。チャイコフスキーの交響曲は以前、ロンドン・フィルと全曲をレコーディングしているが、全曲演奏会は初の試みとなる。これについて小林は、「およそ一週間、集中的にチャイコフスキーを演奏することで、そのペシミスティックな世界が少しずつわかってくるのではないか。チャイコフスキーの苦しみの大叙事詩というのをお見せできたら、今までとまったく違うチャイコフスキー観が生まれるかもしれない」と語る。

 また、VOL.3は11月に桂冠指揮者を務めるハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団と、全国で19公演が予定されている。ここでは、マーラーの「復活」、ベートーヴェンの交響曲第7番などが演奏されるが、小林はベートーヴェンのエピソードを次のように語った。
「先日、大相撲で優勝した徳勝龍は場所中に恩師を亡くしてしまったが、優勝後のコメントで『自分が相撲をとったんじゃない。先生が一緒になって相撲をとって勝たせてくれたんだ』と話していた。私自身も時にベートーヴェンが自分の中に入ってきて『オーケストラやコーラスの心に入っていけ!』と言う声が聞こえ、そこから急に自分が別の体になったように動き始めたことがあった」

 櫻子夫人によると、小林は第九を500回以上振っているが、勉強を続けている今も、「すごいことを発見してしまった!」と目に涙を浮かべて話すことがあるという。会見では、終始和やかな雰囲気のなかにも、年齢を重ねてもますます高まる音楽への情熱が強く感じられ、充実したプロジェクトになりそうだ。

ジャパン・アーツ
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