演奏家の言葉で深まる名曲の世界――東京フィル「平日の午後のコンサート」

左:小林研一郎 ©K.Miura/金子三勇士 ©Seiichi Saito/角田鋼亮 ©Makoto Kamiya/服部百音 ©Yuji Hori

 東京フィルハーモニー交響楽団の人気シリーズ「平日の午後のコンサート」全4回が、今季は東京オペラシティの再開後、8月にスタートする。

 8月は「コバケンのベートーヴェン!」。指揮は小林研一郎。シリーズの顔とも言える存在だ。ベートーヴェンというテーマとともに、「ハンガリー」というキーワードも。ピアノ協奏曲第5番「皇帝」はハンガリーにルーツを持つ金子三勇士の独奏。少年時代に同国へ留学していた金子は以前、当時体験した現地でのコバケン人気の高さを話してくれたこともあった。後半は交響曲第6番「田園」。ハンガリーの大作曲家バルトークは、あの冒頭主題の原形がハンガリー周辺の民謡にあることを書き記している。

 10月の「絢爛たる一族」は角田鋼亮指揮、ヴァイオリン独奏に服部百音を迎える。音楽家一族だったJ.シュトラウスII世の《くるまば草》序曲で華やかに幕を開け、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番へ。超絶技巧の裏に潜むロマンを服部百音が描く。そして、服部良一、克久、隆之という“服部三代”の作品を、隆之の娘“四代目・百音”が奏でる趣向に大注目。まさに絢爛たる一族の血脈。

 12月には挾間美帆指揮でシンフォニック・ジャズ、2027年2月に出口大地指揮でベートーヴェンと20世紀バレエ音楽を対置したプログラムも控える。出演者のお話付きで肩肘張らず、クラシック音楽の王道を外さない名曲プログラムに身を委ねる午後。

文:宮本 明

(ぶらあぼ2026年3月号より)

東京フィルハーモニー交響楽団 「平日の午後のコンサート」2026-27シーズン
【第41回】2026.8/12(水) 
【第42回】10/5(月)
【第43回】12/7(月) 
【第44回】2027.2/10(水)
各日14:00 東京オペラシティ コンサートホール 
4回セット券 2/25(水)発売
問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522 
https://www.tpo.or.jp
※2026-27シーズン、発売日などの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。