「おいしい音楽、めしあがれ。」調布国際音楽祭2026の概要が発表

 調布国際音楽祭2026(主催:公益財団法人調布市文化・コミュニティ振興財団、調布市)の記者会見が2月26日、市内の名刹・深大寺で行われ、指揮者で同音楽祭エグゼクティブ・プロデューサーの鈴木優人、ピアニストで同じくアソシエイト・プロデューサーの森下唯らが出席。第14回を迎える今年の概要が発表された。

左より:田中里奈(ヴァイオリン)、鈴木優人、森下唯

 会期は2026年6月20日から28日まで。「おいしい音楽、めしあがれ。」をテーマとし、調布のまち全体を“ひとつのキッチン”に見立て、多彩な公演を“音楽のメニュー”として提供する。会場は調布市グリーンホール、文化会館たづくり、せんがわ劇場をはじめ、深大寺、白百合女子大学、布多天神社など市内各所。

 会見で鈴木は、音楽祭を開催する上で一番大切なこととして“手作り”を挙げた。
「料理にも通じるところがありますが、10年以上続けてきた中で、お客様もスタッフもこの音楽祭に強い愛着を持ってくださっています。そういう場所に内容の薄いものが入れば、すぐに違和感として表れてしまう。だからこそ、一つひとつ丁寧に作ることが大事だと思っています。調布市の音楽祭として、街の皆さんに愛してもらえる存在でありたい」

 一方、森下は、鈴木のホスピタリティをはじめ、サービス精神にあふれた音楽祭だと語った。
「出演者や参加者が“良い経験ができた”と感じ、その気持ちが来場された皆さんにも伝わる。その循環を大切にしてきました。今年も隅々まで行き届いた音楽祭を目指します」

権代敦彦の新作オペラ《ZEN》を世界初演

 幅広いプログラムの中で最大の注目は、作曲家・権代敦彦による世界初演オペラ《ZEN》(演奏会形式)(6/26)。第二次世界大戦下から戦後を背景に、禅の思想を世界的に広めた哲学者・鈴木大拙を軸に展開する物語で、権代が構想から10年をかけ温めてきた意欲作。鈴木優人が指揮を務め、鈴木大拙役の加耒徹(バス)をはじめ、与那城敬(バリトン)、櫻田亮(テノール)、加藤宏隆(バスバリトン)、村松稔之(カウンターテナー)、渡辺祐介(バス)ら実力派が集結。黒田鈴尊が尺八、演出は田尾下哲が務める。

権代敦彦 ©Michiharu Okubo

 音楽祭の名物企画の一つ、鈴木雅明が指揮するフェスティバル・オーケストラは、マーラーの交響曲第1番「巨人」、松田華音をソリストに迎えモーツァルトのピアノ協奏曲第24番などを取り上げる。
 会見で紹介されたメッセージ動画で鈴木雅明は「『巨人』は、マーラーの作品の中で最も古典的で、作曲家自身の郷愁が組み込まれた素晴らしい音楽で大好きな作品です。若い演奏家たちと1週間かけて向き合い、祝祭の舞台に臨みたい」と意気込みを語った。

 フィナーレ(6/28)を飾るのは、音楽祭のレジデント・オーケストラとも言えるバッハ・コレギウム・ジャパン。アリア〈羊は安らかに草を食み〉で知られるバッハ「狩のカンタータ」を中心に、ブランデンブルク協奏曲第5番などを組み合わせた構成で、鈴木優人が指揮、「ブランデンブルク」は鈴木雅明がチェンバロを弾く親子共演が実現。森麻季、松井亜希(以上ソプラノ)、櫻田亮(テノール)、大西宇宙(バス)ら日本屈指の歌手が出演する。
 また、料理研究家・平野レミを迎えるトーク&コンサート(6/27)は、舞台上で実際に料理を行う(!?)異色企画。平野と親交がある山中惇史(ピアノ)のほか、廣津留すみれ(ヴァイオリン)、鈴木優人、森下唯(ピアノ)らが出演。

 その他、鈴木優人指揮ぱんだウインドオーケストラ、サクソフォンの上野耕平らによるオープニング・ガラ(6/20)、深大寺本堂でのクァルテット・インテグラ公演(6/24)、フェスオケ講師陣による「動物の謝肉祭」(6/25)、村治佳織のギターリサイタル(6/28)、成田達輝(ヴァイオリン)&萩原麻未(ピアノ)栗コーダーカルテット(両公演とも6/27)によるキッズ公演細川俊夫らが講師を務める作曲ワークショップ(6/24、6/25)、など、多彩な企画が並ぶ。

 初夏の調布を舞台に、“味わう音楽”を掲げる調布国際音楽祭2026。今年も街全体を包み込む祝祭となりそうだ。

写真・文:編集部

プロデューサーの二人は、小学生のときからの友人関係

調布国際音楽祭2026
2026.6/20(土)~ 6/28(日)

◎セット券
ちょうふアートプラス会員・一般:3/13(金)先行発売
◎単券
ちょうふアートプラス会員先行発売:4/2(木)
一般発売:4/9(木)
※会員・一般ともに発売初日はインターネット販売のみ

問:チケットCHOFU 042-481-7222
https://chofumusicfestival.com