第6回高松国際ピアノコンクール、ファイナリスト5名が決定

 2月10日から香川県高松市のサンポートホール高松で開催されている第6回高松国際ピアノコンクールは19日、第3次審査が終了し、本選に進む5名が発表された。今大会最多の9名が出場していた韓国勢は、2名が本選へと駒を進めたほか、2023年シドニー国際ピアノコンクール優勝者である実力者、キム・ジョンファン(ドイツ)もソウル出身。日本勢で3次まで進出していた小野寺拓真、稲積陽菜は惜しくも通過はならなかった。

◎本選進出者(5名) ※番号はエントリーナンバー。曲目は本選での演奏曲
6 パク・ヘリム PARK Haerim(韓国)19歳
 チャイコフスキー:ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 op. 23
20 エリザベス・ツァイ Elisabeth TSAI(アメリカ)26歳
 ブラームス:ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 op. 15
26 ロマン・フェディウルコ Roman FEDIURKO(ウクライナ)21歳
 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 op. 30
28 キム・ジョンファン KIM Jeonghwan(ドイツ)25歳
 サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第4番 ハ短調 op. 44
44 ハ・ギュテ HA Gyu Tae(韓国)29歳
 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 op. 58
※年齢は2026年2月10日時点

エリザベス・ツァイ

 青柳晋審査員長は、以下のように講評を述べた。
「このように難しいプログラムに取り組んでくださったことに、心からお礼を申し上げます。本当に大変な挑戦だったと思います。私自身も30年前にコンクールを経験しましたから、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンに始まって、さらにハードなレパートリーを課されることが、どれほど大変かよく分かっています。しかし、皆さんの演奏を聴くことができたのは、私たちにとって光栄なことでした。今夜は5名のお名前を発表することになりますが、第1次、第2次審査を含め、演奏されたお一人おひとりの今後の音楽人生に、心からの幸運をお祈りしています」

パク・ヘリム
共演は北田千尋(ヴァイオリン)、笹沼樹(チェロ)、田原綾子(ヴィオラ)

 第3次審査は、ソロの冒頭がベートーヴェンの指定のソナタ7曲の中からの1曲。中期〜後期の作品を選択したピアニストが大半を占めたが、多くのコンテスタントが、大胆な展開が多く思索に満ちた難曲で、作曲家晩年の境地を高い集中力で披露していた。室内楽課題では、ロマン派のピアノ四重奏曲で、3人の弦楽器奏者たちとの共演でアンサンブル・ピアニストとしての力量を発揮。
 そのほか、コンクール委嘱作品である桑原ゆうの「玉藻龍宮雨乞踊(たまもりゅうぐうあまごいのおどり)」も必須課題として演奏された。全体に水を想起させる透明感のある和声の移ろいが幻想的に響く作品。作曲者が、サンポートホールからもほど近い玉藻公園(高松城跡。瀬戸内海の海水をお掘に引き込んだ水城として知られる)を訪れてインスピレーションを受けたという作品で、かの与謝野晶子がこの地を訪れた際の歌にも詠まれた龍宮の伝説も織り込まれた。また、香川県内各地に伝わる雨乞踊の唄も素材として使われている。まさに讃岐の土地に根ざした6分弱の音楽は、演奏するピアニストによって、それぞれ異なる色合いをみせていたのが印象的だった。

 本選は、21日、22日の2日間にわたって行われる。共演は広上淳一指揮の瀬戸フィルハーモニー交響楽団。5人のコンテスタントが、チャイコフスキー、ブラームス、ラフマニノフ、サン=サーンス、ベートーヴェンと、異なる協奏曲を選んでおり、それぞれの持ち味が発揮されるステージとなる。

写真提供:高松国際ピアノコンクール事務局

本選 演奏順・プログラム
2/21(土)14:30〜 https://form.tipc.jp/results/order_4_1.html
2/22(日)13:00〜 https://form.tipc.jp/results/order_4_2.html
ライブ配信
https://www.youtube.com/@5thtipc68/streams