「Sing for Peace〜KYOTO 2020 コーラス・フェスティバル〜」制作発表

左より:古瀬まきを(オープニングソリスト)、富岡 健(Sing for Peace Festival Choir合唱指揮)、浅井敬壹(音楽監督)、平田あゆみ(テーマソング作曲)、佐藤ますみ(実行委員長・京都コンサートホール 事業企画課長)
©dorian nakagawa

 2020年は東京でオリンピック・パラリンピックが開催されるが、京都では世界的規模のコーラス・フェスティバルが開かれる。題して「Sing for Peace〜KYOTO 2020 コーラス・フェスティバル〜」。

 京都コンサートホール開館25周年を記念する事業であり、開催期間は5月22日から24日までの3日間。テーマは「合唱と平和」。音楽監督に日本合唱界の重鎮・浅井敬壹、特別ゲストに作曲家で指揮者のボブ・チルコットを招く。合唱は、このフェスティバルのために公募で結成される特別合唱団「Sing for Peace Festival Choir(SPFC)」のほか、海外からの合唱団、そして日本の各地からも多くの合唱団が参加する(総勢約1,500人見込)。

 9月2日に記者発表が行われ、概要とテーマソングが発表された。テーマソングは作詞を詩人・谷川俊太郎に依頼し、平田あゆみが作曲した「平和の歌」。作曲者によれば「谷川さんの詩は口ずさむ感覚を重視していて、歌の詩にふさわしい。水を比喩として平和を書いたもの。曲は8月半ばに完成した」とのことで、同作は壮大なスケールを感じさせる合唱曲である。

 フェスティバル初日、22日の昼からは〈プレ・コンサート〉として、京都市内の寺院や博物館など10ヵ所でア・カペラ合唱が繰り広げられる。夜の〈オープニング・コンサート〉では浅井敬壹指揮SPFCがテーマソング「平和の歌」を、広上淳一指揮京都市交響楽団とSPFCがチルコット「レクイエム」(抜粋)とベートーヴェンの交響曲第9番を演奏する。

 翌23日午前はチルコットがプロデュースするコンサート。「世界はひとつ」をテーマとして、自作の「世界を変えた5つの日」、ブリテン「グロリアーナ」より第2舞曲などを取り上げる。午後はポーランドから招待されたNFMクワイアの演奏会とチルコットがプロデュースするコンサートがもう一つ行われる。「絆」をテーマに、グレツキ「すべて御身に」、ブラームス「ドイツ・レクイエム」より第4曲など。夜はイギリスから招聘された声楽アンサンブル、スティレ・アンティコのスペシャル・コンサート。小ホールでは「日本の合唱指揮者7人 Part I」とチルコットのワークショップ。

 5月24日午後にはイギリスから招かれた合唱団コモティオの演奏会。夕方からは〈クロージング・コンサート「平和──自由への叫び」〉では、浅井敬壹指揮合唱団京都エコーによるショスタコーヴィチ「革命詩人による十の詩曲」。グランド・フィナーレではチルコットへの委嘱作品「Make me a channel of your peace」が世界初演される。小ホールでは「日本の合唱指揮者7人 Part Ⅱ」。

 合唱ファン、音楽ファンにはたまらない「合唱と平和」の祭典になることは間違いない。今から来年5月が待ち遠しい。
取材・文:横原千史

Sing for Peace~KYOTO 2020 コーラス・フェスティバル~
https://www.kyotoconcerthall.org/singforpeace2020/