今年のGWの開始に当たる4月27日と4月28日に、びわ湖ホールを主な会場として開催される「近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2019」のプログラム発表会見が、2月20日に行われた。びわ湖ホール館長・山中隆、同芸術監督・沼尻竜典、同事業部長・馬淵英明が登壇した。
(2019.2/20 びわ湖ホール Photo:T.Shiroma/Tokyo MDE)
山中館長の挨拶の後、今回のラインナップについて説明が行われた。第1回となった昨年同様、オーケストラ公演から湖畔広場での野外演奏までと、ラインナップは多岐にわたる。びわ湖ホールを会場とする有料公演が32公演、同メインロビーなどでの無料公演が約32公演となっている。
主な演目を紹介すると、まずは大ホールでの沼尻指揮京都市交響楽団による「オープニングコンサート」。ここで今回の音楽祭のテーマの元になっているアリア〈神よ、平和を与えたまえ〉(ヴェルディ《運命の力》より)が中村恵理(ソプラノ)によって歌われる。また砂川涼子(ソプラノ)が今年生誕120年のプーランクが書いたモノオペラの傑作《声》に臨む。原語上演(フランス語)、中村敬一演出による演奏会形式。管弦楽は沼尻指揮の京響(いずれも、4/27)。
中ホールでの注目公演は、昨年に難関ミュンヘン国際音楽コンクールを制した、地元関西出身の新進気鋭の「葵トリオ」、近年バッハで高い評価を受けるコンスタンチン・リフシッツの「ゴルトベルク変奏曲」全曲(いずれも、4/27)。そしてドイツで今最も勢いのある活躍ぶりを呈するチェリスト、ユリアン・シュテッケルがやはりバッハの「無伴奏チェロ組曲第3番と第4番」ほかを演奏する(4/28)。
また、屋外での特設ステージを用いたユニークな企画「かがり火コンサート」には、ドイツの名門団体、ザクセン声楽アンサンブルが登場。モーツァルト「レクイエム」と「アヴェ・ヴェルム・コルプス」などを、びわ湖ホール声楽アンサンブル、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団と共に披露する。指揮はマティアス・ユング(4/27、4/28)。
沼尻芸術監督は「昨年は第1回ということで不安があったが、結果的にたくさんのお客さんに来てもらうことができ、そして充実した内容を高く評価していただいたのは嬉しい。また演奏家の方に賛同してもらえたことも大きい。今年も気を引き締めて取り組みたい。シュテッケルさんもリフシッツさんも、私のリューベックでの活動で縁のできた人たちで、ほぼ直接的に打診しご出演を快諾してくれた。素晴らしい演奏をお届けできると思う」
さらに、この音楽祭の特色について、「色んな楽しみ方ができるということ。料金設定も低めで、内容的にも敷居の高くないものも入れた。これまで聴いた経験がなくても気になっていた楽器など気軽に楽しんでほしい。独自のリサイタル企画などで、普段見られないアーティストの一面に接することができるのも魅力だと思う。豊富な内容は、たとえて言うならば、昔、デパートの最上階にあった、洋食と和食のごっちゃなメニューの“お好み食堂”といったところ。10連休の最初でもあるので、県外からも多くの人に来てほしい」と述べた。
近江の春 びわ湖クラシック音楽祭2019
「神よ、平和を与えたまえ」
2019年4月27日(土)、4月28日(日)
滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール、湖畔広場、ピア淡海(滋賀県立県民交流センター)、遊覧船ミシガン(大津港発着)
問:びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136
https://festival.biwako-hall.or.jp/2019/