調布国際音楽祭2019 記者会見

 調布市グリーンホールをメイン会場として、今年6月23日から30日にかけて開催される調布国際音楽祭の記者会見が行われ、同音楽祭エグゼクティブ・プロデューサーの鈴木優人、アソシエイト・プロデューサーの森下唯、調布市文化・コミュニティ振興財団常務理事の吉田育子が登壇した。
(2019.2/1 調布市文化会館たづくり Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE)

左より:森下 唯、鈴木優人、吉田育子

 調布国際音楽祭は2013年より「調布音楽祭」の名でスタートし、17年から「調布国際音楽祭」と改称。今年で7年目を迎える。市内にある桐朋学園大学の協力も得て、地元密着のフェスティバルとして年々拡がりを見せ、昨年の来場者は約8000人に上っている。
 自身も調布市出身である鈴木優人が挨拶し、「音楽という文化を未来へつないでいくことを一番の課題として、毎年小さな努力で改善と成長を重ねています。準備するのは簡単ではないですが、ワクワクしながら準備を進めています。手作り感を失わないようにしながら、いろいろな人に扉を開いて、音楽を目一杯楽しんでいただけるようにしたい」と述べた。
 また、鈴木とは小学生の頃からの友人という森下は、「彼の強いキャラクターで、毎年思いのこもった音楽祭として成立させているところに大きな特徴があると思います。規模が大きくなっても人間的な温かみを失わない場として続いているので、たくさんの方にこの楽しい音楽祭の存在を知ってほしい」と語った。

鈴木優人

 主なコンサートは以下の通り。オープニング・コンサートには、ジャズ界の巨匠、山下洋輔(ピアノ)が登場。ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」を披露する(6/23)。目玉となるモーツァルトの歌劇《後宮からの誘拐》には、森谷真理、澤江衣里(以上ソプラノ)、櫻田亮(テノール)ら充実の独唱陣が揃い、管弦楽は鈴木優人指揮バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)。演奏会形式だが、田尾下哲の演出で、スリリングな舞台が繰り広げられそうだ(6/28,6/29)。なお、鈴木はトルコの太守役で今年もステージに登場する。
 第1回以来の出演が実現したのがソプラノの森麻季。メンデルスゾーン「歌の翼に」ほか、親しみやすい選曲で幅広い層が楽しめるリサイタルとなっている(6/30)。在京オケの首席奏者を中心とするスタープレイヤーが集った調布国際音楽祭フェスティバル・オーケストラ(以下CIMFオケ)の公演には、今年はブラジルの新鋭、シモーネ・メネセスと鈴木雅明の二人の指揮者が登場。調布でラグビー ワールドカップの試合が開催されることに因み、オネゲル「ラグビー」とチャイコフスキーの交響曲第5番他のプログラムが組まれた(6/29)。 
 そのほか、深大寺本堂で行われる、三宮正満(オーボエ)と水永牧子(チェンバロ)のデュオコンサートは、天台宗の聲明も味わえる、厳かで耳洗われる午後のひととき(6/26)。グランド・フィナーレを飾るのは、鈴木雅明指揮BCJによる「華麗なる協奏曲の夕べ」。ヴィヴァルディ「四季」より〈夏〉、ヘンデル「オルガン協奏曲第5番」など華やかなバロックのコンチェルトで、寺神戸亮(ヴァイオリン)や鈴木優人(オルガン)らソリストが躍動する(6/30)。

 音楽祭の監修を務める鈴木雅明は、滞在中のシンガポールからネット中継で会見に参加した。今回、CIMFオケに参加するメンバーとして、現地の音楽院から弦楽器を中心に10〜20名程度が来日する予定だという。また、彼らは室内楽コンサート「まさト〜ク コンサート」(6/27)にも出演が予定されており、募集・採用が行われている最中だという。
「ラグビーのワールドカップやオリンピックに向けて興奮が高まっているこの調布で、こうしたフェスティバルをやらせていただくのは、本当に嬉しいです。海外の若い音楽家を招くというわれわれの夢の実現への第一歩として、今年からシンガポールのヨン・シュウトウ音楽院の学生たちが来てくれることになっています。彼らがオーケストラに入って共に様々な経験を積んでいくことは、やがて素晴らしい実を結ぶのではないかと思います」

 主要7公演のほかに、キッズ向けの4公演や、飲食店や屋外など市内各所で行われる無料公演も多数予定されている。

調布国際音楽祭2019
2019.6/23(日)〜6/30(日) 調布市グリーンホール、調布市文化会館たづくり、深大寺 ほか
チケット一般発売:2019.3/15(金)
http://chofumusicfestival.com/