ピリオド楽器による刺激に満ちた新しい「第九」
「第九」といえば、暮れの風物詩…と言いたいところだが、1月に「第九」を演奏するのが鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパン。なるほど、その手があったか! と思わず膝を叩いてしまう。12月後半の集中豪雨的な「第九」ラッシュを過ぎて年が明け、1月も下旬に入って寒さもいっそう厳しくなった頃に、あらためて新鮮な気持ちで向き合うベートーヴェンの偉大な傑作。そもそもバッハ・コレギウム・ジャパンにとって、年末はヘンデル「メサイア」の季節だ。「第九」は1月。これは絶妙なタイミングではないだろうか。
そして、ピリオド楽器による「第九」演奏という点でも、貴重な機会となる。古楽演奏が盛んとなった現在であっても、作曲当時の楽器や奏法に依拠した「第九」を聴く機会はきわめて限られている。日本でもっとも頻繁に演奏される交響曲でありながら、あたかも初めて「第九」を聴くような気持ちで作品に接することができるだろう。
バッハ・コレギウム・ジャパンのベートーヴェンといえば、2017年2月の「ミサ・ソレムニス」が記憶に新しいところ。熱気と高揚感にあふれ、特別な瞬間が何度も訪れるような記念碑的名演だった。オーケストラと合唱との一体感もバッハ・コレギウム・ジャパンならでは。万全の独唱陣とともに奏でられる「歓喜の歌」が今から待ち遠しい。
2019.1/24(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999
https://www.operacity.jp/