カナダの精鋭クァルテットが醸し出す熟成のサウンド
アルトゥール・レブランク(1906〜85)は、20世紀カナダを代表する名ヴァイオリニスト。その巨匠の名を冠し、ヴァイオリンの小林響を核に、同国きっての精鋭集団として、四半世紀以上にわたって国際的な活動を展開するアルトゥール・レブランク弦楽四重奏団(通称:A・レブランク弦楽四重奏団)が、注目の来日公演を行う。
14歳でイスラエルに留学、ベルリン芸術大学を経て、トロント王立音楽院を首席で卒業した小林に、Brett Molzan(ヴァイオリン)、Jean-Luc Plourde(ヴィオラ)、Ryan Molzan(チェロ)が加わり、1988年に結成。ケベック市を拠点に、ピアノのイェルク・デームスやチェロの堤剛ら巨匠音楽家とのコラボレーションも積極的に行い、高い評価を得ている。
今回のステージは、ハイドンの「ロプコヴィッツ四重奏曲第1番」こと第81番と、ベートーヴェンの第10番「ハープ」といった古典の2つの傑作を前後に、シンメトリー構造で、斬新なバルトークの第4番を挟み込む、彼ららしいウィットの効いたプログラミング。カナダからの瑞々しい“響きの風”を、感じてみたい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2017年5月号から)
6/4(日)14:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
http://www.proarte.co.jp/